『YAMAを綴る』

休日は気ままに、各地の山へ行く会社員。

奥多摩縦走20キロコース登山

今回は奥多摩にある鷹ノ巣山へ行ってきた。水根沢から入山し石尾根縦走をして奥多摩駅に下山する全20キロのコースだった。

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アクセスについては以下の通り。

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立川駅で青梅線に乗り換えしてからはほとんどが登山に向かう人だった。やはり奥多摩方面は人気の登山スポットなんだなぁと思った。そして、青梅駅を超えたあたりから段々と車窓からの景色は自然豊かになって行った。徐々に山に向かって行ってる感じがワクワクした。

あっという間に奥多摩駅到着。あさイチだったからか思ったより人がおらず、ほぼ並ぶこともなく登山口へ向かうバスに乗車できた。

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ここから水根バス停(奥多摩湖バス停の一つ前)へ向かう。奥多摩駅からはバスで20分くらい。前回の両神山がバスだけで1時間半(しかも乗り継ぎ有り)だったので本当にあっという間に到着した。

早速YAMAPを起動。さぁ、登山開始だ。

身も心も、そして靴紐も、しっかり締めて歩き出す。歩き始めはポツポツと並んでいる一軒家を眺めながら坂道を上がっていく。

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こういうところの坂道って地味に傾斜がきつい。普段からこの道を歩いてる人に栄誉賞をあげたいと思ったくらいだ…。早くも呼吸が上がりつつあるが、黙々と歩く。そして山の中に入っていく。標高が低いからか登り始めの山の中はわりと暗かった。

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陽の当たらない山はいつも少し怖い。でも空気が澄んでいる感じがして深呼吸すると腹の底まで新鮮な空気やマイナスイオンが入ってくる気がして、それはそれで好きだったりする。

そしてここら辺の登山道は木々がきちんと伐採されていて、しっかり手入れされていた。枝などの無い真っ直ぐ伸びる木々は迫力があった。

ここからはしばらく同じような道が続いたが、登山コースの近くに沢があったため終始水の音が聞こえていた。川は至る所が凍っていた。

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山の中に入っていくにつれ、次第に登山道が狭くなる。どうやら川の上流に向かって歩いているようで、渓谷の上を歩いている感じだ。道幅の狭い登山道で且つ斜面側が落ちたらひとたまりも無いような箇所がいくつもあり結構スリル満点だった。そんな感じの道が数キロくらい続き、登りの傾斜はそんなにキツくなかったものの精神的な体力をわりと消費したような気がした。

そしてその次はうっすらと雪が残っている道になった。この頃には少し空も見えるようになり気分転換はできていたものの、そういう時に怪我したりするので慎重に歩いた。

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登り始めて2時間半、一つ目の山頂である水根山に到着。山頂といってもとくに標識は見当たらず、縦走時によくあるパターンのやつだった。そのあとはわりとしっかり雪道だった。

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しかし、開けた道だったのと凍結していなかったためチェンスパ等は履かずに歩けた。そしてそこから20分ほどでお目当てである二つ目の山頂、鷹ノ巣山に無事到着した。

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天気も良く遠くの山々まで見渡せた。

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約3時間の登りを終えて身体がエネルギーを欲しているのを感じる。ということで、早速お湯を沸かす。やはり山頂で食べるものと言ったらアレだ。

そう、カップ麺。内側からも温まろうと思い今回は辛ラーメンをチョイスした。

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そういえば、お湯を沸かしていた時に、何度か風で火が消えてしまったんだけど、それを見ていた方が声をかけてくれた。そしてガソリン式タイプの火力抜群バーナーで代わりにお湯を沸かしてくれた。本当に有り難かった。わたしもそろそろバーナーを買い換えようと思った。

お湯を沸かしている間にその方と少しだけお話をした。どうやら奥多摩によく来られてそうな感じだった。やはり、わたしがよく丹沢に行くように、各々にホームマウンテンがあるんだなと思った。

そしてお腹も満たされ、しっかり休憩もできたことで元気モリモリになった。ということで、サクッと荷物を詰め直し出発する。ここからは石尾根縦走をして奥多摩駅まで向かう。

山頂付近は雪が積もっているから滑らないように気をつけて……ズルッッッッツ。ベチャ。わぁ。

 

 

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雪で滑らないことだけを意識していたら、見事にぬかるみでコケた。おかげでわたしの両手も洋服もザックもカメラのストラップもしっかり全部泥まみれになった。これから縦走だというのに一気に精神HPを消費した瞬間だった。雪よりも全然タチが悪い。ぬかるみこそ気にするべきだった。

しかし、コケてしまったものはしょうがない。登山備品達を洗うきっかけなったと思えば…悪く無い気もする。(クソッ)

とりあえず水分が飛ぶまでは泥の落としようがないため不快感があるが、歩き始める。一旦、水根山まで戻りそこからは新しいルートに進んでいく。

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泥まみれの女が雪の上を歩く。なんだか笑えてくる。でも、失敗したこととか、悔しかったこととかってその瞬間は落ち込んだりするけれど、時間が経つと意外と笑い話になったりする。

なので、泥だらけになって良かったとは絶対思えないが…まぁ記憶に残る思い出になったのでそれはそれで良しとしようと思った。

と、まぁそんなこんなでメンタルを立て直しながら歩いていたらあっという間に三つ目の山頂、城山に到着した。

先ほどの山同様、とくに標識らしきものはなかったため何事もなく通過する。そしてまた歩き出す。段々と雪化粧から土に変わっていき、四つ目の山頂、将門馬場に着いた頃にはほぼ雪は無くなっていた。そして、山頂にはすっごいさりげなく標識がかかっていた。とりあえず写真に収めておいた。

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ここの山もとくに何も無いので通過する。ここらへんを通過したあたりからは落ち葉の道に変わっていた。

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先ほどの山頂から大体20分ほど歩き、五つ目の山、六ツ石山に到着した。

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ここはわりとしっかり山頂の標識、というか石碑?があった。とりあえず記念撮影をする。他の登山者はとくにおらず貸切だった。ここら辺まできたところで洋服やザックについた泥がだいぶ乾いていたので落とせるだけ落とした。

そして出発。七つ目の山、狩倉山は5分ほどで到着した。ここも安定にスルー。そして20分ほど歩き八つ目の山、三ノ木戸山、3分先に九つ目の山、十二天山。ここまでいろんな山を通過していると気持ちが良くなってくる。

だいぶ標高が下がったからかまた、森の中に入った。日陰の登山道は地面が絶妙に凍結していて、また道端が狭くなったので緊張感があった。そんなこんなしつつ十つ目の山、絹笠山到着。

ここを過ぎてからは、また落ち葉ゾーンに変わり、深いところでは膝くらいまで埋まるほどだった。そして無心で降りていたら車道が見えてきた。やはり、下界に降りてくると毎回ホッとする。

しかし、なにかがおかしい。車道付近まで行ってみたら、道路まで3メートルくらい高さがあるではないか。YAMAPで地図を確認してみると、コースから外れてしまっていた。

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しかし、周りの木々には目印になるテープが付いている。とりあえず降りてきた斜面をまた上がるのもなぁ…と思い今回はこここら降りることにした。なので、安全に降りられそうなところを探す。

足を踏み外したり滑り落ちたりしないよう慎重に移動する。そして木が生えているところを発見したので、そこからゆっくり降りた。道路に降りた瞬間、めちゃくちゃホッとした。おそらく本日1番緊張した瞬間だった。

降りたところから駅までの距離を調べてみたところ3キロちょっと。時間にして40分ほどだった。駅に向かう途中、お腹が空いてきたので菓子パンを食べながら気長に歩く。20分くらい歩いたところで下山口に当たった。

今回はルートを間違えたものの何事もなく降りることができ、登山口に戻ってこれたので結果としてはよかった。しかし、下山するまで適宜ルート確認しながら降りなければなと反省した。

奥多摩駅に戻ってきてからは、泥だらけになった身体を癒すため"日帰り温泉もえぎの湯"に向かった。20キロ歩いてきているのでそれなりに足に疲労がでてきている。あと少しで、温泉に着くというタイミングで衝撃事実発覚。まさかの…

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長期休館中。これは泣けた。

しかし、やってないものはしょうがない。ということでとりあえず帰ることにした。電車に乗る前になるべく泥を落とし、そして帰路についた。

帰宅してからは、お風呂で備品を洗い、服はある程度泥を落としてから洗濯した。湯船に浸かった瞬間の「ホワァァア。。。」とする感じがたまらなく最高だった。

そして、下山してからもう一つ恒例なのが…

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そう、ビールだ。ビールが運ばれてきた瞬間に写真撮るのを忘れて飲んでしまった。これは毎度のことながら沁みた。下山後に飲むビールのうまさを世の中に広めていきたいくらいだ。この日は、このあとに大ジョッキのホッピーを飲んで焼き鳥や揚げ物を食べて満たされたので就寝したのであった。

ということで、今回の登山を振り返る。

まず今日は泥まみれになるわ、ルートを間違えるわ、日帰り温泉やってないわで、反省すべき点がいくつか見つかった。

ソロだからこそ、自分のことは自分で守り、そして管理していく必要がある。知識も知恵も経験も積み重ねていく必要がある。まだまだ未熟な部分が多い。なので、これから、少しずつ専門的な知識を習得し実践していこうと思った。

登山も剣道のように生涯できるものだと思う。人生100年時代なのだから、気長に少しずつ成長していけたらなと思う。なので、わたしはわたしのペースでこれからも登っていく。今回はそんなことをひしひしと感じられた登山だった。

それでは、また。

わたしが登山を始めたきっかけ。

たまに登山を始めたきっかけについて聞かれることがあるので、今更ながらここに記しておこうと思う。

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登山を始めたのは2020年の9月頃のこと。あの時のわたしは社会人2年目で営業マンとして働いていた。営業マン時代は「人と話せないわけではないけれど、あまり得意ではないんだよなぁ…。」なんて思いながら働く日々で、ちょうどコロナが流行り始めた時期でもあった。

コロナといえば、流行り始めたときのことをよく覚えている。今では、周りの誰かがコロナに感染したとしても、"それは致し方無いこと"程度になった。インフルエンザと同レベルにもなったし。でも初期の頃はコロナ陽性になろうものなら、本人やその関係者は悪者のような扱いだった。営業マン時代に取引先からの問い合わせでひしひしとそう感じた。

だから、今ではマスク着用義務や外食禁止などの制限が無くなり、ほぼほぼ以前のような生活に戻りつつあるので本当に良かったと心から思う。

少し話が逸れたが、ここからが登山を始めたきっかけについて本題になる。営業マン時代は会社から社用の携帯電話が貸与されていた。(以下、社用携帯)その社用携帯の電話が本当によく鳴るのだ。退勤後だろうが、休日だろうが関係なく、よく鳴る。四方八方から連絡がくる。

そんなオンとオフが切り替えられない生活がとっても居心地が悪くて嫌だった。ならば、社用携帯の電源を切るなりしたらいいじゃないかということなんだけど、周りに電源を切っている人とか、休日の外出時に持ち歩かない人がいなかったのだ。だからそういう行動に移さなかった。今振り返れば、ただただ周りと違うことをするのが、怖かったのだと思う。

なので、電源を切っておいたり、持ち歩かないという選択肢はわたしの頭の中にはなかった。でも、どうしてもこの居心地の悪さを解消したくて何か他の方法がないか探し始めた。そして、ふと思いついたのだ。

そうだ、電波のない環境へ行こう。

名案だと思った。電源を切るわけではないし、持ち歩かないわけでもない。でも、電波がないから必然的に電話に出られない。電話に出られなかったとしてもそれはしょうがないことになるのではないか。今となれば、本当に笑い話だが、あの当時は真剣にそう考えていた。

ということで、わたしの登山は始まった。

しかし、ここで次の問題が発生する。これには正直たまげた。というか全然想定していなかった。なんと最近の山は…

意外と電波がいい。

これには、かなり頭を悩ませた。山たるもの、すべて圏外と思っていたもののそうではなかった。登山口や登り始めは圏外で良い調子なのだが、森林限界を越えると…いきなり電波を拾ってしまうのだ。そして、あろうことか富士山に至っては5G対応していたのだ。結局、いくつかの山に出向いてみたものの、結果は同じで、大手キャリアの電波が最強だということを痛感させられた。

そこは、頑張らないでくれよソフ◯バンク社……いっそのこと、アンテナ減らしてくれ…(切実)

さて、ここまで話したらもうお気づきだろうが、わたしが登山を始めたきっかけは、電波を遮断するという逆電波対策だったのだ。しかし、そうしたきっかけのおかげで、わたしは登山するようになった。そして気がつけば山に魅了されていた。黙々と登るあの時間に、日常から解放された。少しの間だけ日常から離れることができる、そんな時間が最高だった。結局、電波は入るから電話が来てしまうこともあったけれど、自然を感じ、そして黙々と歩くことで日常から離れることができるようになった。

無事に登山にハマり始めた一方、仕事の方では、この翌年に営業から管理部門へ異動の内示が出た。管理部門では社用携帯が不要だった。なので、これでもかというスピードで返却した。そうしてあっけなく、わたしの社用携帯との戦いは幕を閉じた。

ちなみにこれは後日談だが、管理部門へ異動した後、社用携帯はすぐに返却できたのだが、なんと次は社用携帯の管理担当者となった。端末は大体、約1800台あり1台返却したと思ったら1800倍になってわたしの手元に返ってきた。きっと、わたしは社用携帯とは切っても切れない縁なのだと思う。

ともあれ、社用携帯は保持していないので退勤後や休日に電話が鳴ることはなくなったし、無事に好山病を発症したので営業マン時代に、あの手この手を尽くして行動してみて、登山するというきっかけをつくってみて本当に良かったと思う。

今はあの時の些細なきっかけが、わたしの心身に大きなプラスの影響をもたらしてくれている。なので、この経験をもとにどんなことでもまずは、とりあえず行動してみようと思っている。以上が、わたしが登山をはじめたきっかけについてである。

さて、次はどこの山に行こうかな。それでは、また。

富士登山記録をまとめてみた

ここ数年で何度も訪れている日本一の山、富士山について簡単にまとめてみた。

2021年8月28日

記念すべき1回目の富士登山は登るペースを間違えた。その結果、見事高山病になり、山頂の火口付近の開けたところに行き、しばらく大の字で寝た。そして日焼け止めを塗り忘れて盛大に日焼けした。ボロボロになって帰宅したが、この日の登山によって富士登山に目覚めたと思う。ちなみにこのときはまだYAMAPを使用していなかったためログはない。

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2022年6月1日

2回目の富士登山は山開き前に行ってみた。そして初めてナイトハイクに挑戦し、星空と街の夜景をみながらゆっくり登った。残雪期だったため8号目あたりからはアイゼンを装着した。満点の星空のもと登ったあの景色はこれからも忘れたくないと思うほどだった。

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2022年10月22日

3回目の富士登山は同じ年の閉山後に行った。ナイトハイクの味をしめた結果、再度ナイトハイクで星と街の夜景を見ながら登った。結局、朝日は出なかったので山頂でご来光を拝めなかったが、ナイトハイクをしていた外国籍のグループと仲良くなって終始語り合った。おかげでソロ登山らしくない賑やかな登山となった。

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2023年5月27日

4回目の富士登山は山開き前に行った。そして初めてお鉢巡りをしてみた。意外と距離があり少しだけ後悔もしたが、改めて富士山の壮大さを知れた日だった。下山は9.5号目から8号目辺りまでシリセードをして一気に滑って降りた。お尻の感覚がなくなりかけたが、凄いスピードで降りれて楽しかった。

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2023年9月30日

5回目の富士登山は閉山後にルームメイトと行った。この日はあまり天気が良くなかったのと、ルームメイトがしっかり高山病になったので6号目で撤退した。初回はみんな高山病になるのだろうか…と思った。高山病を経て強くなることを願いたい。下山してから、そのまま宝永山に行けたのでそれはそれで良かった。

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2023年10月14日

6回目は5回目のリベンジ富士登山に行った。無事に山頂まで辿り着け2023年富士登山納めができた。この日はミスター富士山に出会うことができて記念写真を撮ってもらえた。「わたしもまだまだたくさん登りに来ないとな!」と勝手に対抗心を燃やした瞬間だった。でも、ミスター富士山は3000回以上登頂してるので絶対に追いつけないと思う。

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ということで振り返ってみたところ、まだトータル登山回数は6回だった。これからもっと登頂回数を増やしていこうと思う。また今年は別ルートからもアタックしていこうと思う。

さらっと富士登山を振り返ってみた会でした〜。

それでは、また。

 

修行のような登山だった件

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久々、修行のような山に行った。

2023年1月6日(土)、わたしは早くも年明け2座目の山に向かっていた。今回登ったのは埼玉県の秩父にある百名山のひとつ、両神山(りょうかみさん)だ。この山は山岳信仰の霊峰とされている。

山岳信仰の霊峰とは…神仏などを祀っている、いわば神聖な山ということ。

この日は公共交通機関で向かった。まず最寄りから、所沢駅まで行く。次に特急に乗り西武秩父駅まで向かう。(特急券は600円で事前ネット購入可)

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車内では事前に買っておいた朝ごはんを食べた。朝7時過ぎの特急にはゴルフに行く中年層の方がわりといた。そして朝から車内で酒とつまみを出して宴会をしていた。(わたしも朝からスト缶が飲めるくらい胃腸が強くなりたい。笑)

電車に揺られること約1時間。西武秩父駅に到着。ここから次はバスに乗り換える。駅を出ると目の前がバスロータリーになっていた。

とりあえず人の流れる方へ向かった。そして近くにバスの案内係の人がいたので登山口行きのバスを確認する。教えてもらったバスはすでに停車していて、町が運営しているバンのようなバスだった。乗車する際に、運転手さんに再度行き先を確認する。

これはわたしのバックパッカー時代の癖なのだが、慣れない土地でバスに乗るときは、たとえ行き先が合っているであろうバスであっても必ず運転手に声をかけるようにしている。そうすることで乗り過ごしかけたりすると、運転手さんが声をかけてくれるからだ。

バックパッカー時代の経験がこうして今も生きているのだがら、やはりあの経験は大きかったのだと思う。

バスが定刻通り出発した。このあと別のバスに乗り継ぐ予定だ。ここから次の乗り継ぐバス停まで約1時間。車内は5人くらいしか乗っておらず、信号もない田舎道をエンジンを唸らせながらひたすら走る。

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バスの中では、寝ようかなと思ったもののYAMAP(山アプリ)のデータを整理してたら目が覚めてしまい、この後はひたすら過去の登山記録と向き合っていた。

そういえば、登山口へ向かうバスといえば、運賃が少し高めなのだが、このバスは乗り継ぎ先のバス停までなんと500円だった。(支払いは現金のみのため小銭を用意を推奨)登山は移動費が結構かかるのでありがたい。

そして走ること1時間、定刻通り乗り継ぎ先のバス停に到着した。(薬師の湯駅 終点)ここから登山口まで向かうバスに乗るのだが、下車する時に運転手さんが「両神山行くなら」と乗り継ぎ券とパンフレットをくれた。

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登山口へ向かうバスが来たので乗車する。先ほどの乗り継ぎ券を出したらなんと、乗り継ぎ後のバスの運賃が無料だった。(乗り継ぎ券…神過ぎないか⁈)

ここから40分くらいバスに乗る。このバスも途中で停車することもなければ、道中にほとんど信号もなかったのでとても快適だった。そして今日は少しキツめの登山になりそうだったので、寝はしなかったものの目をつぶって終始バックパックに寄りかかっていた。心地の良い揺れを感じながらゆっくりしていたらあっという間に登山口に到着した。

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午前10時。いよいよ登山の始まりだ。靴紐を締めて身を引き締める。帰りのバスは最終17時10分になるので終バスに遅れないよう気をつけて登らなければならない。(バスでアクセスする人が少ないのはバスの時間がわりとタイムリーだからなんだと思う)

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いざ、出発。

そういえば登山口を通過するときに集計用のカウンター(通行量などを測るやつ)が置いてあった。近くには『登山人数集計にご協力ください』と書かれた案内文。わたしが押したときはたしか500番台だったが、あれはいつからカウントしているんだろう…。

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登山道は自然の地形をそのまま生かしたような道だった。10時過ぎだったが山と山の谷間を歩いてるからかあまり明るくはなくひっそりした印象だった。

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最近は景色の開けている山だったり、わりと登山客がいる山に行く機会が多かったので、静かな山は新鮮に感じた。

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そしてこの日は風もなく鳥のさえずりがずっと聞こえていた。あと自然豊かな山だからか野生動物の💩がたくさん落ちていた。笑

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それと、ここの登山道はわりと大きめの石が落ちていたのだが、大量の枯葉で足元が見えず、その点は少し怖かった。

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しばらく歩いていると川が出てきた。ひっそりと山の中を流れる川。きっと野生動物達の憩いの場になっているんだろうなと思いながら、川の上流に向かって黙々と歩く。わりと傾斜のある道が続く。

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登り始めて1時間半。清滝小屋に到着。ここの山小屋はかつて営業をしていたようだが、現在は避難小屋(無人)になっている。小屋の中は見なかったが、外観を見た限りわりと綺麗だった。そしてYAMAPで他の方の登山記録を見ていたところ、たまに宿泊している人がいるようだった。

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山小屋を越えてからまた急所が続く。ここまでとくに眺望もないため、ただひたすら傾斜と向き合う時間が続く。しかも道中は電波も遮断されていたので本当に自分と向き合うほかなかった。集中力が切れないように一足一足に意識を向け登っていく。

ここら辺でたまに登山客とすれ違った。みなさん下山していたので、きっと車で来られた方々なんだと思う。ペアで登山をしてる人とすれ違った時に何気ない会話している姿を見て、今日は少しだけ羨ましくなった。

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ともあれ、ソロはソロで心身を鍛錬できる!ということで、黙々と登り続ける。そして「鈴が坂」に到着。事前調査によるとここら辺も急所ポイントらしいので再び身を引き締める。

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山小屋を越えてからは、もう少しで景色が見えそうな感じがあるのに、いくら登っても何も見えない。きっと、こういうところもメンタルを削られた理由の一つなんだろうなと思いながら登った。

その後、なんだかんだ40分くらいで無事に両神神社に到着した。神社の鳥居をくぐったときに、すごく神聖な感じがした。メンタルは削られるわ、急所が続くわでボロボロだったけれど、この神社に着いた瞬間、素直に「あ、登ってきて良かったな。」と思えた。

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神社からは大体20分ほどで山頂に着く。山頂付近の登山道は少しだけ凍っていた。念の為にチェーンスパイクを持参していたがこの日はとくに必要なかった。

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道中にもわりと鎖場があったけれど、山頂間近にも鎖場が出てきた。「あと少し!あと少し!」と鼓舞して登っていく。
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ラストの鎖場が出てきた。そしてやっと青空が見えてきた。(ここまでほんとうに長かった)今日はきっと山頂で両神ブルーが見られそうな予感。ワクワクしながら最後のチカラを振り絞って登っていく。

そしてついに…

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山頂到着〜!コースタイム2時間50分。

苦労して登り、やっとの思いで山頂の標識を見たときの達成感はいつも本当に最高だ。この言葉に尽きる。とくに両神山はなかなかの修行山だったので山頂に着いたとき、いつもより達成感があった気がする。

ちなみに山頂はウワサに聞いていた通り本当に狭くてゆっくりする場所はあまりなかった。しかし、すでに下山している人たちが多かったからか山頂は空いていてわたしの他に1組しかいなかったので、ザックを降ろして菓子パンをかじる。

…うんまい。めちゃくちゃうまい!

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山頂は景色も開けていて山々を一望できた。山頂まで眺望はお預けだったけれど、菓子パンをかじりながら見た景色はご褒美の如く最高だった。

そして15分くらい休憩したので下山を開始する。山頂では長居しない。わたしのマイルールだ。先ほど一生懸命登ってきた道を一瞬で降りていく。登っているときは「下山もこの長い道のりをまた通るのか〜」なんて思っていたけど、あっという間だった。

そして登山口目前でふいに山の斜面に映る自分の姿を見つけたのでおもわずパシャリ。

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無事下山した。コースタイムは1時間30分で、なかなか良いタイムだったと思う。そして登山口にあった山荘で登山バッチとサイダーを購入した。

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山荘のおばさんと少し話をしたんだけど、少し前に雪が降ったらしい。今年は全然降っていないとおっしゃっていた。きっと例年はここら辺も雪景色になるのだろうなと思った。

最終バスの一つ前15時10分発に乗ることができたので、先ほど同様にバスを乗り継いで西武秩父駅に向かう。(もちろんまた、乗り継ぎ券をもらった)

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そして無事に西武秩父駅に到着。駅前にある「祭りの湯」に行く前にお腹が空いていたので、駅横のお土産屋さんコーナーあたりで玉こんにゃくを食べた。

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この玉こんにゃくがしっかり出汁が染みていてボリュームがあって最高に美味かった。これはいつかまたリピートしたい一品だった。

お腹も満たされたことなので駅前の温泉で汗を流してしっかりと温まった。いうまでもなく最高だった。そして最後、電車に乗る前に軽く一杯飲んで無事に帰路に着いたのであった。

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今回の山は、修行のような山だった。でも静かな雰囲気の中で黙々とキツめの傾斜を登り、結果として自分と向き合うことができたんじゃないかと思う。なので今回もやはり良い登山だった。訪れる山や訪れる時期によって山もわたしも変化していく。だから登山は面白い。両神山にもまた、いつか登りに来ようと思う。

それでは、また。

変化こそ不変

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槍ヶ岳山荘でみた満点の星空。絶対に忘れたくないと思った。でも、人は忘れていく生き物らしいからきっと、あのとき見たものや感じたことの細部までは覚えてはいられないのだと思う。そしてそれは山での出来事に限らず大抵のことについてもそういうものなんだと思う。

でも、どうやら人は薄れてしまった記憶や一度忘れてしまっていたことをふと思い出したとき、その当時とは別の捉え方ができたり、より良い方向へ変換させることができるらしい。だからどんな経験も時を経てプラスに変えられるんだって。

もう二度と繰り返したくないと思うことはあるし、結果としてその出来事が今の自分を作ってくれたとしてもやはり、その当時に悲しかったことや悔しかった感情は変えられないと思う。でも、どんな出来事も最後の最後に自分のなかでの捉え方を変えられるとするのならば、一つひとつの出来事に意義を見出すことはできる。

だから様々なことが起こってしまう、この世の中で、せめて最後の最後にはプラスに捉え直せる思考を持つわたしでありたいと思う。そんなことを思った仕事始めの電車の中であった。

それでは、また。

『山に関連するお話を綴る』