『YAMAを綴る』

休日は気ままに、各地の山へ行く会社員。

山で山だけじゃないことを知った日(八ヶ岳①)

人生で2度目の山小屋は八ヶ岳連峰にある赤岳山頂荘だった。2023年8月4日、わたしは電車とバスを乗り継いで美濃戸口登山口に向かった。夏は公共交通機関で行けるから有難い。ちなみに八ヶ岳には何度か来ているが、公共の乗り物を乗り継いで来たのは今回が初めてだ。

まぁ、そんなことは置いておき、早速登山開始。入山してからはしばらく森の中を歩く。山の香りがする。自然の音がする。癒される。でも、、、キツい。心拍数が上がるのを感じる。こういうとき、いつも「一刻も早く心と身体が山に同期してくれ」と願う。

と、まぁそんなこんなして、黙々と歩くこと4時間。f:id:Mayuko_m:20231219123424j:image

無事に一つ目の山頂『阿弥陀岳』に到着。ここの山頂名、いつ見ても大蛇っぽいと思うのはわたしだけだろうか。まぁ、そんなことはどうでもいいが。ちなみに、山頂には誰もおらず、ゼリー飲料を飲みながら一人でここまで登ってきた4時間の健闘を讃えた。そして、ここからあの向こう側のてっぺんまで行く。そう、あのてっぺんが赤岳。くぅ。

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阿弥陀岳から赤岳に行くには、一度降らなければならない。ということで、まずは一つ下のコブみたいな中岳へ向かう。中岳では、床に(?)転がっている石でできた山頂の標識と記念撮影。ここから赤岳へは更に一旦降る。

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次は、ひたすら登る。登る。登る。「登ったり降ったり、八ヶ岳は忙しないなぁ」なんてつぶやきつつ、再度登る。そして30分くらいで本日のお宿、赤岳山頂荘へ到着。ふぅ。

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わたしがチェックインしたのは15時過ぎだった。その時点では、大半が到着済みだったようだ。無事にチェックインを終え、館内の説明をしてもらう。その後、本日の寝床になる場所を案内してもらった。この日は、ほとんどがグループで来ていたようで、ソロで来ていたのは、わたし含め数名だけだった。だからか、山小屋の方が一番端っこを案内してくれた。(すみっコぐらしには有難い)※今思えば空けておいてくれたのかな?

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夕ご飯まで少し時間があったので荷解きをして、本日の健闘を讃えるコーラを購入。食堂が開放されていたので、景色を眺めながら炭酸を一気に胃に流し込む。そしてシュワシュワした糖分が全身に回ってゆく。控えめにいって最&高。これは、もはや整った感覚では…と思い始める始末。

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この後、夕飯の時間まで、ぼーっとしがてら、歩いて5分もかからない赤岳の山頂に向かった。そこで、足のマッサージをしながら、静かに傾き始めた陽をじっと眺めていた。この日は、たまに雲がかかったり、抜けたりを繰り返していた。ただただ眺めているのが楽しい瞬間だった。でも、忙しない山々を眺めていたら少しだけ冷えてきたので一旦、宿に戻る。

その後、お腹空いたなぁと思い、早めに食堂がある玄関付近に向かった。そして、食堂が開くのを待っていたとき、下駄箱に目が留まった。f:id:Mayuko_m:20231219125309j:image

"いままでこの靴達はどれだけの山を登ってきて

どれだけ私たちを守ってきてくれたのだろうか。"

不意にそんなことを思った。さまざまな、この靴達はどこで購入されたのか、どんな山を共にしてきて、どんな経験をしてきたのか。考え始めたらなんだかとってもワクワクした。いままで、山にばかり目を向けてきた。いま、わたしの目の前にあるこの靴達にもたくさんのストーリーがあると思うと、なんだか素敵だなと思った。

きっと、そういう風に思えたのは、苦労してここに辿り着いたからこそなんだと思う。感慨深いものがある。感慨深くなるものがあるのだ。そう、ソロ登山はときに寂しさも感じるが、こうやって些細な発見や気付きに出会える瞬間があるから良い。だから、好きだ。

そんなことをしっぽり考えていたら夜ご飯の時間になった。ご飯とお味噌汁はおかわり自由だったので、ご飯をしっかり2杯平らげた。やっぱりお米はうまいっ。とくに山で食べる白米は格別だ。

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そして、身も心も満たされたわたしは明日の縦走に備えて早めに床に就いたのであった。

続きはまた更新します。それでは、また。

『山に関連するお話を綴る』