『YAMAを綴る』

休日は気ままに、各地の山へ行く会社員。

2023年 山納めに選ばれたのは、やはり谷川岳でした。

2023年最後の山は、谷川岳へ行くことにした。昨年の大晦日も谷川岳へ山納めをしに行ったのだが、寒波の影響もありラッセル祭りで、もはや修行だった。終いには、ロープウェイの時間などを考えた結果、山頂までは行かずに途中で下山した。なので、今年こそは…という思いを胸に谷川岳で山納めをすることにしたのである。

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2023年12月28日(木)仕事納めの前日、わたしは有給を使って谷川岳がある群馬県みなかみ町へ向かった。ちなみにこの日の山業に向けて、体調管理はもちろんのこと、1週間くらい前から天候や雪の状況はこまめにチェックしていた。なんたって大事な山納めだからね。

朝、大宮駅から新幹線に乗り上毛高原へ向かった。車内は、帰省客やらウィンタースポーツ客でわりと混雑していた。「自由席、失敗だったかなぁ。」と一瞬思ったが、チラホラ席が空いていたので無事に座ることができた。一安心。

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そういえば、今まであまり新幹線に乗る機会がなかった。しかし、ここ数年で登山やスノボーをするようになってからはだいぶ乗る機会が増えた。とくに上越新幹線にはかなりお世話になっている。わたしの登山は上越新幹線なくして語れないといっても良いほどだ。そんな愛着のある上越新幹線とき号の車窓からぼんやり景色を眺めつつ上毛高原へ向かった。

上毛高原へは大宮から1時間もかからない。あっという間に駅に到着した。いつも上毛高原駅に着いたとき、都内とは温度が違うなぁと思う。

そして、ここから次はバスに乗る。目的地は終点の谷川岳ロープウェイ駅だ。乗車時間はだいたい1時間くらい。(片道1,400円IC利用可)登山客は20人くらいた。ちなみに少し前までバスとロープウェイの往復セット券を駅で売っていたのだが、どうやら販売が終了してしまったらしい。(結構お得だったので地味に悲しい)

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定刻になったのでバスが出発する。車窓からの景色は昨年と異なり雪景色ではなかった。昨年は駅らへんから雪が積もっていたので、やはり今年は暖冬なんだなと改めて思った。でも、これから登る山々のてっぺんには雪が積もっていてテンションが上がった。バス停の途中で水上駅や土合駅からもわりと登山客が乗ってきた。気付けばバスの中は登山者で満車だった。

うとうとしながらバスに揺られること1時間。無事に谷川岳ロープウェイ駅に到着した。そして往復チケットを購入。(往復券3,000円)

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いざ、ロープウェイへ。

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やはり、例年より雪が少ない。

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登山口に到着。わりと登山客がいた。そして今日は、雲ひとつない青空と真っ白な雪山。「これは、なかなか良い写真が撮れそうだな…ふふ。」っていう感じだった。

そして、今日なによりも楽しみにしていたのが…新しい靴だ。NEWアイテム、わたしのSCARPA(スカルパ)ちゃん。履き心地含め、どんな感じなのか楽しみでしかない。

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いとしのスカルパちゃんにアイゼンを装着し、準備満タン。いざ、入山開始だ。
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早速、青と白のコントラストが良い感じ。雪道もしっかりトレースが付いていて歩きやすい。この雪道は、おそらくクリスマスイブあたりに開拓してくれた人の名残だろう。本当に感謝しかない。

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風もなく穏やかな登山道。雪を踏んだ時の「キュッ、キュッ」という音。今年初の鳴き雪だ。

「鳴き雪とは、雪の上を歩いたときに発せられる踏み音のこと。まるで雪が鳴いているように聞こえることからそう呼ばれている。」

わたしも前から知っていたわけではなく、去年学んだのでそれほど詳しい訳ではないが、登山経験を積んでいくに連れて、そういった新たな学びがあるから面白い。ちなみに鳴き雪は、その時の雪質によって音を変える。なので、いわば自然と人間が協力し合って初めて生み出される音なのだ。そういう風に考えてみると、ただ歩いているだけでも雪山は面白さがある。

しばらく鳴き雪を聴きながら歩く。すると、あっという間に中間地点の山小屋に到着した。

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昨年は雪で山小屋が埋もれていたので、やはり今年はまだまだ雪が少ないんだなと思った。そしてここら辺で他の登山客は一旦休憩をしていたようだったが、わたしはスルーしてそのまま山頂に向かう。

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ここから、しばらく急所が続く。アイゼンをしっかり雪に差し込み、一歩一歩進んで行く。外気温はおそらく氷点下だったが、ずっと動いているので汗が止まらない。素晴らしい景色の中で汗をかく。なんて良い日なんだ。

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森林限界を超えて、真っ青な空と真っ白な雪道をただただ歩く。この日は本当に晴天過ぎて、そして眩しすぎてサングラスがなければ目を開けていられないほどだった。

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山頂が近づくにつれて、空気が澄んでいく。そしてどんどん空の青さが濃くなっていく。まるで宇宙にいるようだった。(宇宙に行ったことはないが)

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そして無事、山頂に到着。谷川岳山頂 トマの耳だ。やはり山頂に到着した時の達成感はいつ味わっても最高だ。周囲を見渡してみると雪で彩られた山々が一面に広がっており、ただただ綺麗だった。

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息を呑むとは、こういうことなんだなと思った。そして、そんな絶景をしっかり写真で収めてからもう一つの山頂へ向かった。

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もう一つの山頂に行く道に、少しだけ雪庇ができていた。

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谷川岳山頂 オキの耳到着。トマの耳からはだいたい歩いて15分くらいだ。

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もう一つの山頂からの景色は…やはり最高だ。そしてここまでノンストップで登ってきたので、少し休憩がてらおにぎりを食す。

雪山の山頂で食べるおにぎりは、ちょっぴり冷えて硬くなっていて、でも何故か美味しい。

休憩も束の間、身体が冷え切る前に下山を開始する。氷点下の山頂ではあっという間に身体の熱を奪っていくからだ。"山頂では長居しない"わたし的には鉄則だと思う。ということで、ガシガシ下山する。下山はある程度踏み固められたトレース上よりも、その脇のふわふわしている雪の方が歩きやすい。半分滑るようなカタチで一気に降りていく。

そういえば、下山し始めてからわりと風吹き始めていた。やはり山の天候は変わりやすい。その後は結構風が強かったんじゃないかと思う。やはり登山は早めに登り、早めに降りるに越したことはない。

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そして、あっという間に登山口まで帰ってきた。山頂に着いた時の達成感ももちろん最高だが、無事に下山した時のあのなんとも言えない安堵感もまた、好きだったりする。今回も何事もなく降りてこられて良かった。

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今日はスカルパちゃんのデビュー日だった。こちらについても終始、履き心地に問題がなくて本当に良かった。また、アイゼンとの相性も問題なく一安心した。

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ロープウェイでさらに下界へ降りる。その後はまたバスで1時間ほど揺られ上毛高原駅へ戻る。バスの中では終始爆睡だった。駅についてからは新幹線の乗車時間まで30分ほどあったので、駅ナカの立ち食い蕎麦屋さんでもつ煮込みをいただく。

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疲れた身体にもつ煮込みが染み渡ってゆく。最高だった。そして新幹線に乗ってからはビンビールをいただく。こちらも無論、最高だった。そんな最高尽くしの山納めで2023年を無事に締め括ったのであった。

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そういえば、最近はInstagramのフォロワーさんから「山で見かけました!」とお声掛け頂く機会が少しずつ増えてきたのがちょっぴり嬉しい。来年も引き続きガシガシいろんな山々を登っていこうと思う。そしてこちらのブログもこまめに更新し、綴っていくので是非、箸休め程度にでも読んでもらえたら幸いです。

ということで、2023年の山納めは無事終了!

それでは、また。良いお年を。

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『山に関連するお話を綴る』