『日常を綴る』

わたしの日常へようこそ!笑

巡礼23日目 【Trabadelo-Fonfria】

それでは昨日の夕食から綴ります。

昨日は19時半に宿の入り口に設置されているテーブルに向かうと、既にワインやお皿が並んでいた。そしてオスピタレオが「食事の前に一人ずつ自己紹介とカミーノにきた理由を話そう」と。

最初はオスピタレオの奥さんからの自己紹介で始まった。彼女はカミーノを歩いた後に、この地にアルベルゲをオープンさせたらしい。そして宿をオープンさせた2週間後に巡礼者として宿にやってきたオスピタレオと今年結婚したと。カミーノに来て、その後にアルベルゲを始めるのもすごいが、宿に泊まりに来た巡礼者と結婚…それが今の彼…。本当にこの地には色んなエピソードを持った人達が集まっていて面白い。にしても彼らは新婚ホヤホヤというわけらしい。笑

と、まぁそんな感じで一人ずつ色んな話をし30分ほど自己紹介タイムがあった後にワインで乾杯をして夕食が始まった。(久しぶりにワインを飲んだ)

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一皿目はサラダとパイだった。

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庭で栽培したお野菜を使っているらしく、本当に絶品だった。とくに、パイが外がサクサクで中がほうれん草のような野菜が入っていてとても美味しかった。

そしてニ皿目はカポナータとライスだった。

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カポナータはイタリアの煮込み料理らしく、色んな野菜がトマトベースで煮込まれていた。そして米。やはり米を食べると安心する。しかも胃腸が復活したようでガツガツ食べても胃のムカムカはとくになかった。(もちろん加減はしたけど)

そして最後は、これまたお庭で採れたストロベリーを使って作ったという自家製のシャーベット。

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甘酸っぱくて濃厚でとても美味しかった。

そんな感じでオスピタレオ夫婦が作ってくれた温かい料理を美味しくいただき、そして明日からの巡礼に向けてエネルギーを蓄えられた、そんな素晴らしい夜だった。

では、ここからは巡礼23日目について綴ります。

昨夜は半個室のシングルベットで暑さ以外は本当に快適で、しっかりと寝ることができた。

そしていつも通り目覚ましより少し前に起床。共有スペースに荷物を移動させ、準備を始める。テーブルには朝食を頼んだ人用のご飯が置いてあり、綺麗に置かれた朝食を見て「オスピタレオの優しさが詰まっているなぁ」と思った。そして、今日は特に果物も持っていなかったので何も食べずに5時45分頃には宿を出発した。

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町を出てからはしばらくヘッドライトを使いながら山道の車道脇を歩いた。そしてしばらく歩いているとなにやら暗闇の中にものすごい光を放っている場所があった。巡礼路の方面だったのでそのまま近づいていくと、サービスエリアのような場所が出てきた。

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夜明け前にこれだけの光を見ることなんてないので、突然のサービスエリア(?)に感動した。笑

そしてその先を少し歩くと一つ目の町、La portela de valcarce(3.9km)に到着した。

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特に休憩を取る予定はなかったのでそのまま通過した。

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そしてまた、車道脇を歩いていく。歩いている最中に前方に身軽な巡礼者がいるのが見えた。女性の方が何やら足を気にしており「痛めてしまったのかな?」なんて思いながら追いつき、そして追い抜こうとした時…

「お、マユコー!」と。なんと韓国人カップルだったのだ。彼らは帰国までの日程が迫っているので、もう少し先の町まで進んでいると思っていた。なので突然の再会にビックリしたとともに、また会えてとっても嬉しかった。そして彼が「今日はどこに滞在予定?」と聞いてきたので「Fonfriaのこのアルベルゲだよ〜」と写真を見せると、なんと同じ宿を目指しているとのこと。偶然の再会から、宿まで同じフラグなんて嬉しいなぁと思いつつ「じゃまた後でだね!というか…すぐだね!笑」と言い、各々のペースで再び歩いた。

そしてその後は放牧されている牛を眺めたり馬を眺めたりしながら気長に歩いた。

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そして、二つ目の町、Ambasmestas(1.1km)に到着した。

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この町でも特に休憩の予定はなかったのでスルーした。そしてまた牛さんを眺めながら歩いていく。

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にしても家畜が多いからかなんとも香ばしい匂いがする。笑 ともあれ、車道のような道を歩いていく。

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そして三つ目の町、Vega de valcarce(1.7km)に到着した。

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ここもとくに休憩することなく通過する。にしても、今日は町と町の間隔が非常に狭く、どんどん通過していくのがなんとも気持ちいい。笑

そして 四つ目の町、Ruiteran(2.1km)に到着。

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ここの町もスルー。そして五つ目の町、Las herrerias(1.3km)に到着したところで、朝食を摂ることにした。

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町に着いてから、良さそうなお店を探していると、オシャレなアルベルゲ兼カフェを発見。わりと巡礼者もいたので、ここで朝食休憩を取ることにした。

そして今日の朝食は、クロワッサンとクッキー2枚、そしてカフェ・コン・レ・チェにした。

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胃腸が完全復活してくれたようで、無事に食欲も湧くようになってきた。なので、今日は店内で『私を選んで』と言わんばかりのクロワッサンとクッキーをチョイス。久しぶりのクロワッサンはサックサクで、外側にかかった砂糖がほのかに甘くてとっても美味しかった。そしてクッキーは自家製のようで市販のものとは違う、なんだかほっこりする卵風味のようなお味だった。と、まぁそんな感じで朝からなんとも幸せなひとときを過ごした。(ちなみにテラス席の前には馬が一頭だけ放牧されていた)

そして15分くらい休憩してから、歩き出すことにした。ヘッドライトをザックに入れ代わりにカメラを取り出す。そうこうしていると、韓国カップルが登場。彼らはこの町ではまだ休憩は取らないようなので一緒に次の町まで向かうことに。

どうやら彼女さんは少し前に足を痛めたのと、足の裏に何箇所も水脹れができてしまったらしい。(多分、一つ前の山場で長距離を歩いたんだと思う)しかし、とっても明るい方で「それでも歩いているわたし偉い!」とすごく前向きだったのが印象的だった。笑

そして次の町までは標高差300mくらいの地味な登りが続くものの、お互いのお仕事についてや、彼らの馴れ初め等色んな話をしながら歩いていった。

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にしても彼、すごく身軽で羨ましい。笑

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そして登り続けること45分ほどで六つ目の町、La faba(3.4km)に到着した。

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彼らはここの町で朝食休憩を取るということだったので「またね!」といい、わたしは引き続き山場を満喫することにした。(もう楽しくてしょうがない笑)

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この後も地味な登り道が続いたが、近くの山々を眺めながら歩くのはとっても楽しかった。自分の呼吸と歩くペースのバランスを整えながらゆっくりと、でも着実に登っていく。前回のカミーノから6年経って、今は登山をするようになったからか景色を楽しむ余裕があった。

そんな感じで楽しく、ガシガシ斜面を登っていると前方に巡礼者がいた。そしてその方は片脚がなく、松葉杖のようなもので巡礼路を歩いていた。(たまに唸り声が聞こえたが)にしても、すごいペースで登っていくので、一体何者なんだろう…と思っていると、彼から話しかけてきた。

どうやら彼の携帯で巡礼している姿(斜面を登っている姿)を動画で撮影して欲しいらしい。「もちろんいいよー!」というと携帯を渡されたのでしばらく動画を撮影した。撮影しながら少しだけ会話をしたのだが、彼はイタリアのパラリンピック選手(?)か何からしく、わたしと同じサンジャンからずっと歩いているらしい。そして、この動画等を使ってクラウドファンディングをするといっていた。

そして彼は唸り声を上げながらも、とっても楽しそうに歩いていて、近くにいた牛たちに「チャオー!」と満面の笑みで叫びながら挨拶をしていた。なんだか全力で牛に挨拶している姿が面白くて思わず声を出して笑ってしまった。笑

そして最後に記念撮影をさせてもらいわたしは先を歩くことにした。

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なんだが改めてこの地には本当に色んな人がいるんだなと思った。そしてここを『歩く』『歩かない』を決めるのは他でもなく自分自身で、彼は彼の巡礼を満喫している最中なんだなとすごく感じた瞬間だった。

そして、そんなことを考えながら歩いていると、 七つ目の町、Laguna de castilla(2.3km)に到着した。

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先ほどの彼から良いエネルギーを貰えたことで、わたしもエネルギッシュになっていたので、そのまま町を通過して歩き続けることにした。

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そしてそこからもまた、地味な登り道が続いたのだが、本当に景色が綺麗で何枚も写真を撮りながら歩いた。

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そしてそんな感じで山登りを楽しみながら巡礼をしていると、ガリシア州に突入した。

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スタート地点のナバラ州から始まりレオン州を通過し、最後のガリシア州。「なんだか一歩一歩の積み重ねで遂にここまできたんだなぁ」と改めて感じた。

そして無事にガリシア州に突入ということで山をバックに一枚パシャリ。

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その後もまた同じような道を歩き続け、八つ目の町、O cebreiro(2.4km)に到着した。

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ここの町は標高が1300mと少し高いからかわりと風が吹いていて気持ちよかった。そして行程表の通りにいけば、ここで一泊なのだが、今日は前回泊まった宿を目指すのでここの町は通過する。(イベントか何かがあるようでフェンスが設置されていた)

そして町を通過する前に新しい巡礼手帳を手に入れるべくカフェに立ち寄った。というのも、わたしの巡礼手帳がもう少しでスタンプが一杯になってしまうので新しいのを買っておこうと。

そしてカフェに入り、巡礼手帳とコーラを注文。

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なんか当たり前のように巡礼手帳を注文したのだが、今思えば『カフェで巡礼手帳が買える』ってすごい独特な文化だよね。笑 ともあれ、今度は黒い巡礼手帳を無事にゲットし、キンキンに冷えたコーラを飲んで休憩した。そして、靴下交換をしたのちに、また歩き出した。

町を出てからは地味に登ったり降ったりを繰り返す道が続いた。

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「なんだかマリオカートのコースみたいだなぁ」なんて思いつつガシガシ歩いていく。

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たまに木陰で力尽きている巡礼者がいたりもしたが、わたしは依然元気モリモリで「今日の巡礼は山に生かされてるなぁ」と感じた。

そしてそんな感じで生かされながら歩き続け、九つ目の町、Linares(3.3km)に到着した。

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ここらへんの町は、町の中や巡礼路を家畜も歩くため、至る所にう◯こが落ちていた。前回のカミーノのときもその記憶があったので、懐かしいなと思いつつ雨じゃなくてよかったと心から思った。(雨だと臭いがやばくなるから)

そしてあっという間に町を抜け、その後は車道脇を歩いた。歩いていると、なんだかおびただしい数のシールが貼られた標識と道路の向こう側に巡礼者像があった。

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そしてここら辺はいつも風が強いからなのか、巡礼者像は向かい風の中歩いているような感じがした。

と、まぁそんな感じで車道脇を歩くこと30分ほどで十箇所目の町、Hospital de condesa(2.4km)に到着した。

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町の名前がホスピタルって…なんだか優しそうな町だなぁなんて思いながら町を通過した。(特にこれといって何もない町だった笑)

そしてその後も車道脇を歩き続けた。

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そして次の町に入る少し前に右側に巡礼路が少しそれたのだが、歩いていると前方でコンクリートの上に横たわっている巡礼者がいた。一瞬力尽きて倒れているのかと思ったが、普通に寝ているだけだった。(普通は寝ないか笑)

そして、そんな巡礼者を通り過ぎ少し歩いたところで十一箇所目の町、Padomelo(2.4km)に到着した。

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今日は町と町の間隔が本当に近くで有難いのだが、ここまで多いと記録するもの記憶するのもなかなか大変。笑

そしてこの町を通過すると謎の鬼傾斜ゾーンに突入した。しかし、傾斜の登り方は心得ているので、少しずつ登っていく。傾斜の途中で力尽きている巡礼者がいたが「ブエンカミーノ!」とお伝えし、わたしはそのまま登り続けた。

そして、心臓破りのような傾斜を登った先に十二箇所目の町、Alto do poio(0.4km)があった。流石に喉が乾いてきたこともあり、町のすぐのところにあったカフェに入ることにした。

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ちなみにここのカフェは前回のカミーノでも立ち寄った記憶がある。「前回はどこからかやってきた鶏がおもむろに店内に入店していったんだよな…」なんて思い出しながら、今回は大きな犬が店内に入っていくのを見送った。

そして無事にコーラ休憩と靴下交換を終えたので、本日滞在予定の町に向かって後一踏ん張り歩きだす。歩いている最中に先ほどの路上で寝ている人を見かけたのだが、なんだか足が痛そうだった。「やはりみんな色んなところを負傷しながらも歩いているんだな」なんて思った。(わたしは今のところ元気)

そして、最後の道は音楽を聞きながら、たまに歌いながら歩いた。

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日向だったのでわりと暑かったものの、次の町までそこまで距離も遠くないので気楽に歩いていく。

そして本日滞在予定の十三箇所目の町、Fonfria(3.3km)に到着した。

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お目当ての宿に向かってラストスパートで歩く。そして無事に到着!

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宿についてから、受付をしてもらう時に「ここ泊まったことある!」と言ったら「また来てくれたんだね!夕食はあの時と同じメニューだよ!」と。今夜も宿で夕食をいただくのだが、前回ここの宿でライスが出たことを覚えていたので「やった!ライスだ!」とガッツポーズをした。笑

そしてその後はベットを確保してからシャワーと洗濯をした。

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その後はお腹が空いていたので宿に併設されているバルでオムレツサンドイッチを購入した。

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このオムレツがしっかり火が入っているのは有り難かったのだが、なにも味付けされていなくて、パンももちろん何も塗られていないので素朴な味わいだった。笑 しかし、わりと量があったのでしっかりとお腹が満たされた。

その後は足の小指にできた豆の処置をしたり、ベットで寝ながら電話をしたりして過ごした。そして電話をしているときに、またもやらかしたことに気付く。

「…あ、さっきのサンドイッチ代支払ってない笑」ということで、またも無銭飲食してしまったので急いでバルに戻り代金をお支払いした。

その後は夕食までの時間は宿の共有スペースなとでゆっくりと過ごした。

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ということで、夕食についてはまた明日のブログに綴ります。

そして、ついに明日は約100km手前の町Sarriaに向かう予定だ。ここからのカウントダウンは今までとは少し違うような気がしているので、残り1週間を切ったサンティアゴまでの道のりも引き続き楽しんで行こうと思います。(サンティアゴの後もまたしばらく歩くんだけどね笑)

ということで、明日も元気に歩きます。それでは、ブエンカミーノ!

 

『山に関連するお話を綴る』