『日常を綴る』

わたしの日常へようこそ!笑

巡礼20日目 【Astorga-Foncebadon】

では、巡礼20日目について綴ります。

昨夜は22時半頃に就寝したもののとても暑くて夜中に一度目が覚めた。その後は再度起きてしまうようなことはなかったものの、朝起きるとわりと汗をかいていた。

そういえば、寝る前にベットの上でストレッチをしていると、廊下からわたしのベットがちょうど見える位置にあって、何人か知り合いが「あ、マユコおやすみ!」と声を掛けてくれた。笑 なんだかそういう些細な言葉って嬉しいよなぁ。

話が少しそれたので、戻します。笑 起きてから、ふと上の段をみてみると昨夜ザックの攻防を繰り返した女の子は出発してたのか既にいなかった。(寝ているとまったく気が付かない)

そしてまだ一部の人が部屋の中で寝ているようだったので、荷物を廊下に移動させ、準備を始める。にしても、少しだけ胃がムカムカしていてやはりまだ胃腸が全回復はしていないようだった。

ともあれ、準備をしていると、韓国の彼女さんがわたしを見つけて「マユコ、おはよう!これ!」とゆで卵を2つくれた。どうやら今日はちょっとした山登りがあるからか栄養になるものをいつものメンバーに配って回っているようだった。彼氏さんといい、彼女さんといいこのカップルの優しさには本当に尊敬の念しかないなと思いながら有り難く受け取った。その後は「昨日の夕飯の残りのチャーハンがあるけどいる?」と言ってくれたんだけど、流石に胃のムカムカとお腹が空いてなかったこともあったので丁寧にお断りした。

と、まぁそんな感じで準備を終え、とりあえずバナナをひとつだけ食べ6時頃宿を出発した。

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宿の目の前にいるサラリーマン風(?)の巡礼者像に別れを告げ、歩き出す。(なんかアタッシュケースを担いで颯爽と歩いてる風なので)

外はそこまで寒くもなく、近くの温度計をみてみると18℃くらいだった。まずは昨夜、散歩しに行ったカテドラルの前を通過する。

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日中ももちろんすごく迫力があるのだが、夜明け前はより迫力が増すよなあなんて思いながら一枚写真を撮った。

そして町が少し大きいからかなかなか巡礼路が見つけづらかったので、携帯で方向を確認しながら町を抜けていった。町を抜けるとまずは車道脇のような巡礼路を歩いた。

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一定間隔で街灯がついていたので、ヘッドライトは使わずに歩いていく。わたしの前後にも他の巡礼者がいて「なんだか巡礼者、増えたよなぁ」なんて思いながら歩いた。

そして歩き始めて45分ほどでだいぶ明るくなってきた。

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なので今日は特にベットライトの出番はなかった。そして1時間ほど歩いたところで、一つ目の町、Murias de rechivaldo(4.7km)に到着した。

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この町では休憩などは取らずにスルーする。そしてちょうどこの時間帯にマジックアワーが出ていたのでパシャリ。

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今日も良い天気になりそうだなと思いつつも、遠くの山の方を見ると少し霧がかかっているようだった。

そしてこの町を通過するときに少し驚いたのが、地面がわりと舗装されていたこと。

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なんだが普段歩くのが砂利道とか赤土の上だから、綺麗な地面を見ると逆にびっくりしてしまう。笑

と、まぁそんな感じで少し驚きながらも歩き続けていく。そして町を抜けてからは若手モホンにお出迎えをしてもらい、また安定の砂利道を歩いた。

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にしても、見るたびにどんどんサンティアゴまでの数字が小さくなっていく。当たり前なのだが、なんだがそれが不思議で「でも気がつけばもう20日間も歩き続けているんだもんな」なんて、ふと思った。

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そして一つ目の町を抜けてから20分ほどしたところで、朝日が昇った。

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今日も真っ赤に染まる朝日。朝日はいつも一瞬で昇ってしまうから、日が昇りそうになると定期的に後ろを振り返りながら歩くようにしている。なんたって朝日はいつも背中側から上がってくるからね。

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と、まぁそんな感じで今日も無事に朝日を拝んだ。そしてその後も真っ直ぐに続く道を歩き続けた。

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にしても今まで見ていた景色は一面の麦畑かひまわり畑だったが、今日は辺りを見渡すと緑生い茂る風景だった。メセタから着々とガリシア州に向かっているのだなと思った。

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そしてそんな感じで久しぶりの緑を楽しみながら歩く。

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しかし、ここら辺で猛烈な睡魔がやってきた。良い感じにポカポカしているからか、久しぶりの緑に癒されたからか、睡眠時間が足りていないのか…なんだかあくびが止まらない。

ともあれ、そんな感じで歩き続け、二つ目の町、Santa catalina de somoza(4.5km)に到着した。

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今日はここの町で朝食を摂ることにした。カフェを探していると、良い感じに巡礼者が集まるテラス席を見つけたので、そこにすることにした。ザックをテラス席の椅子の脇におろし、お店の中に入る。今日も安定にトーストとココアを注文した。そしてテラス席に持っていき早速食べる。

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シンプルなんだけど、この組み合わせが最近のお気に入りだ。そんな感じでお気に入りの朝食を楽しんでいると韓国グループが到着した。彼らもここで休憩を取るらしく、近くのテラス席に荷物を下ろし、各々が食べたいものを買いに店内に入っていった。

ゆっくりと朝食を摂り、そして休憩もできたことなので行程を確認してからひと足先に歩き出した。韓国グループに「またね!」というと彼らも元気よく「またね!」と言ってくれた。

町を抜けてからはまたいつも通りの砂利道を歩いた。

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睡魔はなくなってきたものの、なんだか少しだけ身体が疲れている気がしたので「そういえば、最近寝る時間が遅かったもんなぁ」と反省。ということで、今日はしっかりとストレッチをして早めに就寝しようと思った。

と、まぁそんな感じで自分の心身の声を聞きながら歩いていくと、 三つ目の町、Ei ganso(4.1km)に到着した。

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とくにこの町では休憩はせずにスルーすることにした。そしてあっという間に町を通過する。

そしてここら辺で、少し暑くなってきたのでザックにつけている帽子を外し被った。

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そのあとは森の脇のような日陰を歩いた。

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そしてここら辺を歩いているタイミングで黄色いザックの巡礼者が歩いているのが見えた。そう、韓国親子のおばあちゃんだ。今日もしっかりと歩いていて、しかも私たちと同じく山越えもするのだから本当にすごい。おばあちゃんを抜くタイミングで「アニョハセヨ」と声をかける。すると、おばあちゃんも笑顔で挨拶をしてくれた。ジェスチャーで「ザックから帽子を出そうか?」と合図すると、取り出して欲しそうだったので、外側のチャックに入っている帽子を取り出して渡した。

そのあとは、またおばあちゃんがトレッキングポールで「先に行きなさい」といつもの合図を出してくれたので手を振って先を歩いた。

その後は同じような道が続いた。道中に若手モホンがいたので記念に一枚パシャリ。

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たまに写真を撮りつつも黙々と歩いていると前方に韓国親子の娘さんが歩いているのが見えた。少し開けた木陰なようなところにちょうど腰を下ろして、大の字で寝っ転がったのが見える。

その姿を見て『たしかに韓国おばあちゃんに目が行きがちなのだが、娘さんだって色々とおばあちゃんの体調とか心配事がある中で、一緒に歩いていてすごいよな。しかも娘さんの年齢だって巡礼が決して楽ではないはずだよな。』と思った。そう思うと、各々に色んな大変さや抱えるものが有りながらもこうして毎日歩いている巡礼がなんだかすごいことのように感じた。(毎日歩いていると日常になってしまうから)

と、まぁそんなことを思いながら娘さんにも挨拶をする。すると「体調はどう?今日はどこの町まで?」と色々と質問してくれた。いつも心配してくれて有難いなと思いつつ、「山の上の町だから同じ町に滞在するよ!」とお伝えし「またね!」と行ってから先に進んだ。

そのあとは少し森のようなところを歩いた。

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久しぶりに木々に囲まれた空間でなんだか登山しているみたいでワクワクした。

そういえば最近よく酪農を見かけるようになってきた。久しぶりに見る馬や牛は平和そうな顔をしていて「なんだかホッコリするなぁ」と思う。

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と、まぁそんな感じで久々の森にワクワクしたり、馬や牛にホッコリさせてもらっていると、四つ目の町、Rabanal del camino(6.9km)に到着した。

流石に歩き疲れてきたので、ここで一休みすることにした。町の入り口にあった車道に面したカフェでコーラ休憩。

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コーラを飲みながら、持参していたカッパえびせんを食べていると、日本人の女性が先日6時間もぶっ通しで話を聞かされ続けたという男性が別の夫婦とカフェにやってきた。相変わらず、彼はずっと話しているようで「きっと喋り続けないと死んじゃうんだろうな…笑」なんて思いながらその姿を見ていた。

そして、ぼーっと目の前を通過する巡礼者を見ていると、韓国のおばあちゃんが通り過ぎていった。「…え!あの道のりをずっと歩き続けてきたの?!」とびっくりして思わずコーラを吹き出しそうになった。(本当にあのおばあちゃんは何者なんだ…。)

と、まぁそんな感じでおばあちゃんに感化されたのでザックを背負ってわたしも歩き出すことに。準備をしていると、マシンガントークの彼が話しかけてきた。「彼女はその後…大丈夫かな?」

どうやら日本人の女性が、彼と歩いた翌日にもう一泊LEONに滞在することにしたことを気にしているらしい。(自分が一緒に長距離を歩かせてしまったが故に体調を崩してしまった的な)なので「彼女はただ単に休息を取っているだけだよ。たまに連絡を取り合ってるけど、元気だよ」と伝えておいた。少しだけ心配事が和らいだのか、そのあとはまた一緒にいた夫婦にマシンガントークを繰り広げていた。笑

「なんだか色んな人がいるよなぁ」と思いながら町の中を抜けていく。

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そしてこの町を抜ける時に感じたのがとっても田舎、というか山間の中にある町なのに地面はしっかりと舗装されているし、なによりカフェやレストランがとってもオシャレだった。

どうやら巡礼者が増えてきたことによって町が潤ったのか急速に整備されたらしい。なんだか、そういう感じでゴーストタウンだった町に活気が戻るってすごい。「巡礼地ゆえの復興事業だなぁ」なんて思いながら地味にキツイ傾斜を登って町を抜けていった。(ちなみに途中のレストランで韓国親子が2人でビール休憩をしていた笑)

そして町を抜けてからはハイキングコースのような山道になった。

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久しぶりの山感溢れる巡礼路にテンションが上がる。

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しかもたまに森のような道もあった。

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なんたって、ここ最近は永遠と直線の巡礼路だったので、久々の山はわたしにとってご褒美でしかなかった。途中で何人か少しヘバっている巡礼者たちがいたが、元気よく「ブエンカミーノ!」と伝えガシガシ歩いていく。きっと、今日この道を通った人の中で1番元気があったと思う。笑

そしてガシガシ登り続けたところでだいぶ標高をあげたらしい。振り返ると眼下には森が広がっていてとっても綺麗だった。

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そして最後に一旦森のような道に入り、

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抜けた先に、滞在予定の五つ目の町、Foncebadon(5.6km)があった。

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ここの町は、山の頭頂部にあってホテル兼バルが6箇所だけの小さな町らしい。早速お目当ての宿に向かってみると、今日は宿代と夕食代が込みの宿泊料金だった。そんなに夕食食べられないし、なによりこの間の食あたり以降、宿でご飯は食べていなかったものの、オスピタレオの雰囲気がとってもよかったことと「ここのご飯はうまいぞ!ライスもでるし」と言ってくれたので泊まってみることにした。

チェックインをしたあとはオスピタレオが部屋までザックを運んでくれた。(優しい)部屋についてから彼が「もし、どこも痛くなかったらベット上の段でもいい?」と聞いてきたので「もちろんだよ」というと満面の笑みで「パーフェクト」と言ってくれた。

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にしてもこの窓側の上の段、なんだか風邪通りも良さそうでとても良い感じ。

無事にベットを確保した後は、シャワーに入り、洗濯をした。洗濯もよく乾きそうな場所に干し場があって気持ちが良かった。(そういえば日本から持っていった石鹸を使い切ったので、新しい固形石鹸を買った)

そして宿併設のバルでコーラを飲んでいたらなんだかお腹が空いてきたので、思い切ってハンバーガーを頼んでみた。(胃腸…笑)

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するとパンもお肉もそんなにくどくなくてわりとペロリと食べることができた。(付け合わせのポテトチップスはあんまり食べなかったけど笑)そしてお腹いっぱいになったあとは睡魔がきたので、30分ほどお昼寝をしたりしてゆっくりと過ごした。

そういえば、ここの町は山頂部にあるので夕陽が綺麗だとオスピタレオが言っていた。なので夕食後は少しお散歩でもしてみようと思う。

そして、明日は登ってきた山を一気に降る道なので、足元に気をつけながらまたガシガシ歩きたいと思います。また、今日の夜ご飯については明日のブログで綴ろうと思います。

なんだがここ最近は巡礼に疲れているというよりは、集団生活に疲れを感じている気がする。でも、やっとゴールが見えてきた感じがするので、後少しこの生活をある意味楽しんでいこうと思う。

それでは、ブエンカミーノ!

『山に関連するお話を綴る』