ではでは、巡礼18日目について綴ります。
昨夜はなんだかんだ就寝したのが23時過ぎだった。たしかBurgosの時もそのくらいに寝たので、やはり大きな街は…夜遊びしたくなっちゃうのかな。笑
と、まぁそんな冗談は置いておき23時頃にはベットに入っていたわけなんだけども、何故か通路を挟んだ向かいにいる現在、足負傷中の巡礼者(Leonで療養中らしい)が携帯で動画を見ているらしく時折、彼の笑い声がすごく聞こえてくる。でも、負傷したりするとメンタル的にすごく沈み込んでしまう人も多いからこそ、彼の笑っている声を聞いてなんだか安心した。
そして幸いにもわたしはどんな状況下でも大体寝られるので、彼の笑い声を聞きながらも無事に深い眠りに就いたのであった。
そして翌朝、5時半の目覚ましと共に起床した。普段より睡眠時間が少なかったからかそれとも半個室でとても快適だったからなのか、久しぶりに目覚ましが鳴るまで寝ていた。
とりあえず荷物を共有スペースへ移動させ、そこからパッキングやらの準備を始める。そしてある程度の準備を終えてから、持参していたヨーグルトをひとつ食べた。
そして6時少し過ぎにICカードを返却BOXに入れてから宿を出た。にしても、今回泊まった宿は価格帯も立地もサービスもとっても良かった。是非また泊まりたいなと思う宿だった。
そんな感じで素敵な宿の余韻に浸りながらひとまず大聖堂に向かう。(向かうといっても目の前だけど)
日中の賑やかな雰囲気とは打って変わって、人1人いない広場の真ん中に佇む大聖堂は迫力があった。ということで、そんな雰囲気の大聖堂を撮影してから巡礼路にそって歩きだす。
街の中心部ではなかなか巡礼路を示す矢印やシェルが見当たらないので、そういう時はアプリを駆使しながら進んでいく。そして少しすると、中心部から抜ける広場が。
ちょうどすごい勢いでスプリンクラーが回っていたので、濡れないように気をつけながら間をすり抜けていく。
そして広場の先にはとっても大きなパラドール(修道院等の由緒ある建物を改装した国営のホテル)があった。
今回のカミーノでもいくつかのパラドールを目にしてきているが、レオンのパラドールはとっても大きかった。「いつかどこかのパラドールにも泊まってみたいな〜」なんて思いながら通過した。
そして、その先にある橋を渡って、ひとまず街の中心部を抜けたのであった。
この先はまた田舎道のような巡礼路になるのかなと思っていたものの歩いていると、わりと街並みがずっと続いた。 なんだか麦畑じゃない風景の中をしばらく歩き続けるのもなかなか新鮮だった。
と、まぁそんな感じでささやかな新鮮さを楽しんでいると、あっという間に一つ目の町、Trobajo del camino(3.8km)に到着した。『町が続いているなんて…』と驚きながらも、この町ではとくに休憩などは取らずに歩き続ける。
そして、街灯があるのでとくにヘッドライトなども使わずに歩いていると、たまにすごい勢いで電動キックボードに乗った人が通り過ぎていく。見かけるたびに「そのスピード感…本当にいいなー!」といつも口にしてしまう。笑
そしてこの時にふと考えていたのだが、現代におけるカミーノの巡礼方法は【歩く】【自転車】【馬】の3種類。今後、もし4つ目の巡礼方法ができたとしたら何が新たに追加されるだろうか。
「電動キックボード…それかバスだけ(?)…いやあえてヒッチハイクとか…」と、まぁそんな感じで勝手に変な想像を膨らませながら歩く。(朝から元気です笑)
そして一つ目の町からさらに40分ほど歩いたところでどうやら二つ目の町、La virgen del camino(3.3km)に到着していた。(ここもほぼ町が繋がっていた)
ここの町に入った辺りで少しだけ坂を登った。そして登り切ったところで振り返ってみるとマジックアワーが出ていた。
麦畑の中でみるマジックアワーも綺麗だけども、団地のような町の中から見る景色もまた美しかった。
と、まぁそんな感じで気ままに景色を楽しみながら、たまに写真を撮りながら歩いていく。今日は大きな街からのスタートだったからか前後には巡礼者がいた。
そして彼らを観察していると、靴やザックが新品だったり、今まで見かけたことのない人たちばっかりだった。そしてふと気がついた。
「そうか、LEONで一旦巡礼を終えて翌年にここから再スタートする人がいたり、そもそもスタート地点がLEONからの人たちがいるのか」
ということで、これからゴールに近づいていくとともに巡礼者の数もどんどん増えていくんだなぁなんて思いながら彼らと一緒に歩いた。
そして、朝日の時間がきた。
今日も真っ赤に染まった朝日がとっても綺麗だった。遠くの方に見える朝日とちょうど同じくらいの目線だったので…
思わず朝日を手のひらに乗せてみた。笑 (巡礼18日目にもなると朝日を操れるようになります)
と、まぁそんな感じで、他の巡礼者も何人か歩いている中で、謎に一人だけ立ち止まって、そんな感じの撮影をしていた。すると自転車に乗った巡礼者のおじさんが「めっちゃいいね!!」みたいなことを言いながら通り過ぎていった。(表情的に多分そんな感じだった笑)
そして、また歩き出すとすぐに 三つ目の町、Varverde de la virgen(4.3km)に到着した。
ここら辺で朝食休憩でも摂りたいな〜と思っていたものの、開いていそうなお店が見当たらず、次の町までそんなに距離もないので歩くことにした。にしても、今日は景色が都会だからか飽きることなく歩き続けられそうな感じがした。(もちろん、無理しない程度にね)
そしておそらくサンティアゴまでの距離なのだろうか、なんだか最近色んなところでカウントダウンを見かける。もう少しで300kmを切るんだなぁなんて思いながらパシャリ。
そのあとは、次の町に向かう途中に巡礼者像を発見した。せっかくなので記念撮影してもらった。
こんな感じで、最近は面白いものや素敵なものを見つけては写真を撮ったり、少し立ち止まったりしている。また、歩くスピードも以前よりは遅くなったと思う。でも『これもまた私の巡礼スタイルだな』なんて思いながら楽しく歩いていく。
そういえばここ最近、安定の車道脇の砂利道を歩いていて少し飽きつつあったので、そろそろ変化が欲しいなと思っていたのだが、今日はなんと…ほぼ車道を歩く巡礼路だった。笑(もうちょっと違うタイプの変化がよかった笑)
まあ、その後は安定に砂利道にも入ったりを繰り返していたのだが、やはり思うことはコンクリートの上を歩き続けると足への負担がかなり大きいということ。自重や地面に着地した時の衝撃が全て自分の足に跳ね返ってくる感じがして、やはり砂利道や土などの自然の道って巡礼路に適しているんだなと改めて思った。
と、まぁそんな感じで砂利道に有り難さを感じながら歩いていると、後ろから「オラ!」と元気な挨拶が聞こえてきた。わたしも元気に「オラ!」と返すと「どこの国出身?」「カミーノは何日目?」」「おはようは日本語でなんていうの?」「またね、は日本語でなんというの?」とすごくキラキラした目でいろんな質問をしてくれるおじさん2人組に遭遇。色々と質問に答えた後に、彼らにも質問してみるとコロンビア出身で、巡礼はなんと今日が初日らしい。
なんだかそのキラキラさというか初々しさのようなものがとっても可愛くて「じゃこれからとっても楽しい日々が始まるね!楽しんでね!」と伝えた。すると「でも明日はきっと…」というので「多分、筋肉痛だろうね笑」と言って笑い合った。 そして、その後は『彼らの巡礼がより良いものになりますように』と願いを込めて「ブエンカミーノ!」で彼らを見送った。
と、まぁそんな感じでフレッシュさ(?)のようなものをおじさまから頂いたおかげでなんだかわたしもエネルギーがみなぎってきた。
そしてさらに歩いていると、若手のモホンを発見。しかもその下に記載された残りのキロ数がもう少しで300kmを下回ろうとしていた。
なんだか嬉しくてカメラを構えながらガッツポーズで写真を撮った。(にしてもなんで300kmジャストの位置に設置しかなったのだろうか…笑)
その後も道路の向かい側に巡礼者像であったり、教会の屋根にこれでもかというくらいコウノトリが巣を作っていたりしていて写真に収めながら歩いた。
そんな感じでエネルギーがどんどんみなぎってきたタイミングで四つ目の町、San miguel del camino(1.5km)に到着した。
そして前方にはテラス席のようなものが見えて、わりと巡礼者も座っているようだったので、あのカフェで朝食休憩を摂ることにした。
店内に入り商品を選ぶ。身体のことを考えて、今日は100%のオレンジジュースと、健康そうなお菓子(ソイジョイ的な)を購入し、巡礼スタンプを押してもらった。
そして持参したバナナを添えて、テラス席で朝食を摂った。
朝日を浴びながら食べる朝食はいつも最高に美味しい。(すごい車道に面してるけど笑)そして、周りには見たことのない巡礼者しかいなかったけれど、最近は密かに巡礼者の履いている靴のメーカーを見るのにハマっているので新しいメーカーに出会えそうでワクワクした。
と、まぁそんな感じで一回目の休憩を15分ほど満喫した後、また歩き出した。
そしてその後は車道脇を「そろそろ韓国の親子に出会える頃かな〜」なんて考えながら気長に歩いていく。すると…
遠くにおばあちゃんが歩いているのが見えた。笑 にしても、LEONから同じだけの距離をリュックを背負って歩いているのだから本当にすごい。85歳とは思えないしっかりとした歩きで、一体どんな生活をしてきたらあんなに足腰がしっかりするのだろうか…。いつもあのおばあちゃんを見かけるとなんだか元気をもらえる。そんなおばあちゃんに少しずつ近づいていき、驚かせないように「アニョハセヨ」と声を掛ける。
すると、おばあちゃんもわたしのことを認識してくれているのでニッコリと微笑んで韓国語で何かを言っている。(おばあちゃんは基本的に韓国語しか話さないのでちゃんと会話をしたことはない笑)
そしてトレッキングポールで前方を指して「ほれ、先に行きなさい」といつものように合図をしてくれたので「ブエンカミーノ!」と言ってから抜かさせてもらった。
そして歩き出してほどなくて、おばあちゃんが「オンニ〜!(多分そう言ってた)」と呼んでいる声が聞こえた。振り返ってみると何やら手招きをしているので近寄ってみると、どうやらザックの中にある帽子を取って欲しいらしい。なので、中にある帽子を取ってからおばあちゃんに渡すと「ありがとう」と言ってくれた。トレッキングポールを脇に抱えた状態で帽子を被ろうとしていたので代わりに持とうとしたら最初は遠慮して「大丈夫だよ〜(多分そう言ってた)」て感じだったんだけど結局、わたしがそのまま持っておばあちゃんが帽子を被るのを見届けた。
そして先を進ませてもらった。その後もわりと直線の道だったので、おばあちゃんが歩いてきているか、たまに振り返りながら歩いた。(本当にずーーっと歩いている)
そしてまた若手のモホンを発見。残りのキロ数を見ると…
294kmになっていた。遂にゴールまで300kmを切った。なんだか歩き始めは距離が膨大だったから数字が減ってもあまり何も思わなかったけれど、ここ最近は数字が減っていく感じがとっても面白く感じる。(まだ300kmあるのに笑)
きっと、こうやって自分が面白いと感じられるものに目を向けながら楽しく歩いていくと、本当にあっという間にサンティアゴに着いているんだろうなと最近思う。
と、まぁそんな感じで歩き続けるこ1時間半で五つ目の町、Villadangos del paramo(7.5km)に到着した。
そして町に入ってすぐの日陰に韓国人親子の娘さんが座っているのが見えた。(大体先に歩いておばあちゃんを待ってる)向こうもわたしに気がついて手を振ってくれる。「さっきおばあちゃん見たよ!もうすぐ来ると思う」と伝えると「じゃあ後10分くらいかな〜。あ、今日はどこの町に泊まるの?」と。「今日は次の町に滞在する予定!」とお伝えして、またねと言ってからそのまま歩き続けた。
そして町の中心に入るところで、壁に残りのキロ数の落書きを発見。
なんで距離が伸びたのかは謎だけども、とりあえず300kmは切っていたので記念撮影しておいた。笑(ここまで来ると数キロなんて誤差でしかない)
そして町の中に入り、少し休憩を取ることにした。一ヶ所だけ開いているお店があったので、店内に入りフルーツ味のアイスキャンディーを購入。巡礼スタンプを押してもらおうと思ったらお店の人がスタンプをなくしてしまったらしくて結局押してもらえなかった。(残念!)
ともあれ、アイス休憩&靴下交換で小休止をした。
にしてもこのアイス…ハーゲンダッツよりも値段が高い。なので心して食べた。笑
そして、いい感じにクールダウン&エネルギー補給ができたのでまた歩き出した。本日最後の巡礼路はとうもろこし畑脇の道だった。
歩いていると身長が高くてガタイのいい韓国人が話しかけてきてくれて、色々と雑談しながら歩いた。その後はニュージーランドの女の子が後ろからやってきて、同じく雑談をした。そして、そうこうしているうちに本日滞在予定の六つ目の町、San martin del camino(4.2km)に到着した。
韓国の彼は町の入り口にある宿だったので早々にお別れをし、わたしは8€の宿を目指してもう少し歩いた。そして、宿に到着。
数日前に体調を崩した時にお水を入れてくれた彼が宿のベンチに座っていて「体調はどう?」と声をかけてくれた。「もう、とっても元気だよ。あの時はありがとうね」とお伝えし、ちょうど宿の人がきたので受付をしてもらった。そしてベットに案内され向かう。
なんとなく部屋の薄暗さといい、ベットの質感?といいしっくりこない。Wi-Fiも接続したものの電波が弱い。「んんー、どうしようかな…」と考えた末、やはり宿泊をキャンセルさせてもらうことにした。
そして近くにある別のアルベルゲに向かった。宿が開くまで10分ほどあり近くにあったスーパーに行くことにした。そして宿に戻ると、オスピタレオがわたしのザック等を中に運び入れてくれていた。なんだか、そのホスピタリティや彼の表情に直感的に『ここの方がいい』と思った。そして本日二度目のチェックインを終えベットに案内されると…
絶対にこっちの宿の方にして正解だったなと思った。そして、その後はシャワーを浴びてから一旦シエスタでスーパーが閉まってしまう前に昼ごはんを買いに行った。そして戻ってきてからは洗濯をして昼ごはんを作った。
ちなみに今日の昼ご飯は…
冷凍のピザを買ってきてフライパンで焼いた。久しぶりのピザはとっても美味しかったけれど、ボリュームがあったので2/3くらいでご馳走様をして、デザートに桃を食べた。
そしてそこからは1時間ほどお昼寝をしたり、洗濯物を取り込んだりしてまったりとした時間を過ごした。
そして夜ご飯は買っておいたインスタントのピラフ?のようなものを食べた。
中にたくさんグリンピースが入っていて取り除くのが大変だったけれど、優しい味付けで今のわたしにはちょうどよかった。
ということで、前回のBurgosに続き、大きな街でワイワイした次の日は静かな町でゆっくりと過ごすことができた。やはり身体も心もエネルギーを使った後は休息するに限る。
そういえば、今日は宿から出ずにゆっくり過ごしていたので韓国グループの人たちには会えなかった。でもまた偶然に会える日を楽しみに明日からもガシガシ歩こうと思います。
それでは、ブエンカミーノ!