『日常を綴る』

わたしの日常へようこそ!笑

帰国後、初の登山は陣馬山〜高尾山へ

久しぶりに山に行ったのでその話を綴ります。

新しい会社で働き始めて2週間ほど経った。そろそろ山に行って"自然の空気を存分に吸いたい"その一心で、休日の始発電車に乗って東京のとある山へ向かうことにした。

でもその日は、家を出た時からあいにく雨が降っていた。休日に雨、しかも山に行く日に限って。

ともあれ、せっかく前日にパッキングして、朝4時には起きたのだからとりあえず家を出ることにした。

そして雨が止むことを願いながらしばらく電車に揺られること2時間半。車内で爆睡していたらあっという間に登山口のある最寄駅に着いた。

電車の扉が開くと、その先には雨がしとしと降り注ぐ山に囲まれた田舎の駅がそこにあった。なんだか降りる気になれず「帰国して久しぶりの登山なのになあ」なんて、ぼんやり眺めていたらそのまま電車の扉が閉じてしまい「あっ…」という小声とともに次の駅に向かって走り出してしまった。

「乗り過ごしてしまった時の次の駅に着くまでの数分間ってどうしてこんなにももどかしいのかなぁ」なんて思いつつ、このまま家に帰るのか、それとも登山口に向かうのか、霧のかかる山をぼんやり眺めながら考えた。

そしてそんな雨の景色を眺めながら、やはり私の心は山に向いているのだろうなと思ったので登山口に戻ることにした。

予定より30分遅れで最寄駅に着くと、やはりしとしと雨が降っていた。とりあえず改札を抜け、しばらく駅にあるベンチに腰掛けて様子を見ることにした。

とくに何をするわけでもなく、田舎の駅のベンチで雨が止むのを待つ。なんだか巡礼をしていたあの一ヶ月前のような、そんな贅沢な時間の使い方をしているような気がして少しだけ懐かしかった。

そして1時間ほど経った頃だろうか、登山口に向かうバスがやってきた。依然、雨は降り続いていたものの「もういっそのこと、濡れてもいっか」と思い、バスに乗車することにした。

ちなみに、バスは登山客で満車状態だった。意外にも"濡れてもいっか族"はわりと多かった。

そしてバスに揺られること10分ほど。登山口に着いた。ここからはもう腹を括って濡れながら歩くしかない。

「まぁ、一つ目の山頂まで行ってあまりにも酷かったら下山すればいいだろう」という軽い気持ちで登り始めた。

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雨の中の森は当たり前だが、とてもしっとりしていた。登山道には小さな川ができていて、上流に向かって歩くような感じだった。

小雨くらいならば、木々の葉っぱが雨除けとなってくれる。しかし今日は雨が強いから葉っぱに溜まった雨粒をとっても大きくした水滴が容赦なく降り注いできた。

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山の登り始めはなんだか少し濡れた感じが気持ちが悪かったけれど、顔の水を拭うくらいしっかり雨に打たれると、もはや気持ちよくなってくる。人は一定の境界線を超えるとどうやらアホになるらしい。
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そんなアホアドレナリン(?)全開の状態でガシガシと歩いていたらあっという間に山頂に着いた。

一つ目の山頂「陣馬山」
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雨の日の陣馬山ははじめてで、霧がかった中に佇む馬のモニュメントはなんだか不気味で笑えた。そして意外にひとが多くて驚いた。

とりあえず写真でも撮るかと思い、近くに行ってみる。すると面白い発見があった。

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馬が増殖しているではないか。

「そうか、視点を変えてみると雨の日には雨の日なりの楽しみ方があるのかもしれない」

そう気づかされた瞬間だった。

ともあれ依然、雨は降り続いている。このまま約15kmほどの山道を歩いて高尾山まで歩き切るか下山をするか考える。…いや、答えは増殖したウマを見た時に多分決まっていた。

「歩き切ろう。」

何度かここのコースは歩きに来ているけれど、きっと雨の日ならではの新しいワクワクに出会えるような気がした。だから歩いてみる。

そうと決まればもう後はひたすらにこの瞬間を楽しみながら歩くだけ。

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 霧雨の中の森は神秘的でとっても楽しかった。そしてたくさんの雨粒によってできた水溜まりの中にはもう一つの森が広がっていた。
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ぬかるみで靴が泥だけになっても、雨で洋服やザックがびしょびしょになってもひたすら歩いてみた。

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なんだか、歩けば歩くほどに楽しかった。そしてあっという間に3km、7kmと歩いていた。f:id:Mayuko_m:20241010192200j:image

景信山に着いた頃には雨は上がっていて青空が見え始めていた。ここらで持参してきたカップヌードルを食べることにした。早速ザックからお水やガス、やかんを出していく。そしてここで重大なミスに気づく。

お湯を沸かすバーナーを忘れていた。

雨の中、水やらを背負ってここまで歩いてきたのに、肝心のバーナーがない。ただただ食えない食糧を背負っていたのだ。

なんだかそのアホさ加減におかしくなってきてひとりで笑った。

ともあれ、忘れてしまったものはしょうがない。ということで、ずっと気になっていた、きのこ汁うどんを食べてみることにした。

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注文してから出来上がるまでの数分間。雨に濡れて身体が冷えていたこと、空腹だったことが重なりなんだかとても長く感じた。

自分の名前が呼ばれ、駆け足で受け取りに行った。そして早速いただく。雨に濡れた中で食べるきのこ汁は五臓六腑に染み渡りそれはもう絶品としかいいようがなかった。しかも柚子入りの七味唐辛子をかけたらさらに美味しさを倍増させ身体を温めてくれた。

そしてお腹も心も満たされたことなのでそろそろ高尾山に向けて再び歩き出すことにした。そしてふと周りを見渡してみると、完全に天気が回復していた。
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雨が降っていたり、かと思えば晴れていたりと、なんだか雨の中歩いたとある巡礼の日を思い出した瞬間だった。

その後はぬかるんだ登山道をこけないように気を付けながら歩いた。
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そして無事に高尾山に到着。観光山なだけあって山頂手前から結構混んでいた。山頂の標識の前には記念撮影する人たちの列ができていた。
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何度もきているし、並んでまで記念撮影したいほどでもなかったので、遠くから一枚写真に納め、下山することにした。

下山は登山道が整備されているわりとフラットなルートで一気に降りた。あっという間にロープウェイ乗り場まで下山し、食欲のそそられるお蕎麦屋さんの前を通過して駅に向かった。
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そしてずっと前から行ってみたいと思っていた駅前の日帰り温泉に向かった。
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お風呂は観光地にあるだけあって脱衣所が混雑していたけれど、浴場内は割と広くて快適だった。

汗と泥まみれの身体をシャワーで洗い流す瞬間がとっても爽快だった。そして足を伸ばしながら外気温を感じ、ゆったりと浸かることができる露天風呂。浸かった瞬間「あ"ぁ〜」というなんとも言えない声が漏れた。笑

そしてその後はサウナがあったのでしっかり2セットして、整ってから温泉を後にした。

帰りの電車は終始爆睡だった。久しぶりの登山は疲れたけれどもとても心がリフレッシュされた。やはり山はわたしの気持ちを整えてくれる。

ということで、久しぶりの登山はやはり最高だった。そして自分の心に従って歩き切って良かった。

うん。わたしまだまだ山、登ります。では。

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『山に関連するお話を綴る』