『日常を綴る』

わたしの日常へようこそ!笑

巡礼11日目 【Burgos-Hornillos del camino】

昨夜はいつもより遅く23時頃に就寝した。にしても1日で本当に色んなことがあった日だった。(とっても良い意味で)そして、Burgosのような大きな街では、連泊して休息する人達がわりといるらしく、韓国グループの人たちも何人かは休息するといっていた。でも、幸いなことに(?)わたしはそこまで疲労感や不調もとくにないので、いつも通りに先に進むことにした。

ということで、ここからは巡礼11日目について綴ります。

今日は5時半に起床。何故、いつもより1時間遅い起床なのかというと宿の扉がオートロックで6時にならないと開かないからだ。そう…一次的に囚われの巡礼者なのだ。笑

ということで、5時半頃から食堂のようなところで身支度を整える。そして、一つ目の町まで10km以上あるので、宿の自販機でひとまずオレンジジュースを飲む。飲みながら手書きの手帳を書く。そしてふと、周りを見渡してみると顔馴染みの人たちがチラホラいる。巡礼を始めて10日以上が経過し、だいぶ知り合いができたんだなぁと改めて思う。そして昨夜ベットが下の段だったおじさんが話しかけてきて「今日は少し雨が降るぞ〜」と。「ええー…」と言いながら、ひとまず教えてくれたことに対してお礼を言い、そして雨具を取り出しやすい位置に入れ直したのであった。

そんなこんなしていると6時になった。宿の電気が一斉に着く。そして続々と巡礼者達が宿を出て行った。わたしも5分遅れくらいで宿を出発。

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「さあ、今日も巡礼が始まるぞ」と心の中で喝を入れ歩き始める。

そして、すぐ近くの大聖堂の前を通過する。

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にしても、世界遺産なだけあって、本当に大きな大聖堂だ。ちなみに、ここはカテドラルという建物(?)になるのだが、日本語訳では大聖堂とよく言われる。なので、大きいものがカテドラルと思われがちなのだが、実はこのカテドラルというのは『大きさ』によって区別されているのではなく、『カテドラ=司教座がある場所』ということらしい。こうして、実際にその地を訪れて自分の目でみたものを学ぶのは本当に面白い。ちなみに次のカテドラルはステンドグラスで有名なLeonだ。今回は中を見学できなかったので、次のカテドラルはちゃんと見学しようと思う。笑

と、まぁそんな余談は置いておき、カテドラルを拝んだあとはまた歩き出す。大きな街は巡礼路を見つけるのが大変なのだが、今日は前方に同じ宿だった人が何人かいるのでとりあえず着いていく。そして町外れの公園?のような場所を通過する。朝から元気よくスプリンクラーが回っているので、濡れないように気をつけながら進んでいく。そして歩いていると…

『ポツ…ポツポツポツ』少し粒の大きい雨が降り出した。そんなに降りそうな感じでもなかったのに本当に雨が降ったので「あのおじさんすごいな…」と少し感心してしまった。とりあえずバックパックにカバーをかけ、バックパックごと覆えるレインコートを羽織る。雨の中歩くなんて、なんだか巡礼者っぽいな〜と他人事のように考えながら歩いていく。(今思えば、雨の中20km以上歩くのはやっぱり嫌。笑)

しかし、幸いなことに通り雨だったようで、すぐに雨が上がった。ということで、念の為にザックカバーはかけたままにしたが、レインコートは暑いので一旦脱ぐことにした。

そしてあっという間に街を抜けていつもの風景(?)になった。にしても毎回思うのが、どんな大きな街でも街を出てしまえば景色が麦畑に変わるのがなんだかとっても不思議だ。

ちなみに、レインコートはザックにしまうのがめんどくさく、依然手で待ちながら歩いていく。

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レインコートを入れている袋のサイズがちょうどフットボールくらいでたまに軽く投げながら歩く。多分朝からひとりでそんな気楽に歩いているやつはそうそういないと思う。笑

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どこまでも続きそうな直線をフットボール(レインコートな)を投げたり、音楽を聴いたりしながら気ままに歩く。

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しかし、砂利道を歩き始めて30分位経過したあたりで、腰回りの疲れを少し感じ始めた。どうやら昨日遊び過ぎてストレッチが足りなかったらしい。

と、まぁそんな感じでちょっとした痛みもあったが、そんなに気にするわけでもなく歩いていく。そして背後から温かさを感じ始めたので振り返ってみると…

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おお、神々しい。雲が良い感じにかかっているからか神々しい朝日が見られそうな予感。そんな感じであと少しの日の出を待ちわびながら進んでいく。

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そして…

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日が昇り始めた。うん、やはり神々しいし、とっても綺麗だ。(ここからどんどん暑くなるが…)

ちなみに前回ここを歩いた時は14時位で日陰が一切ない灼熱地獄だった。あの時は終わりの見えない道を半泣きで歩いた…。笑

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「そうそう、この橋からひたすらに真っ直ぐ続く道路を見て絶望したなぁ」とか思い出す。

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でも、今回はその風景一つひとつがとても美しく、そして心地良く感じられた。もちろん歩く時間帯もあると思うのだが、マインドコントロールがあの時よりも少しばかり上手くなったのだと思う。

にしても橋の上から遠くを歩いている巡礼者が見える。「おお、わたしもあそこを通るのね〜」なんて思いながら橋を降っていく。そして車道に面した道を歩きながらふと、先ほどの橋を振り返る。すると…

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またも神々しい風景が。橋の上を歩く巡礼者が輝いて見えるではないか!

もしかしたら、わたしたちはサンティアゴに辿り着く依然に、毎日スタートとゴールを繰り返し、既に輝いているのかもしれない。とかちょっとロマンチックなことを考えてひとりで笑った。笑

でも、こういう風景であったり、人との出会いを楽しみながら歩けることに本当に感謝だ。きっとわたしの巡礼はいま、ものすごく良い方向に進んでいる気がする。

うん、なんだか今日は朝から考えさせられた瞬間だった。

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この後は、高架下を歩いたり、安定の麦畑やひまわり畑を通過したりした。そして歩き出して2時間程で、 一つ目の町、Tardajos(11.5km)に到着した。

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今日はここで朝食を食べたいと思っていたので、入れそうなカフェがないか探しながら歩く。

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そして町の中に入っていくと、道路の向かいに人だかりができているカフェを発見。迷わずに道路を横断する。(もちろん安全確認してから笑)

そして店内に入ってみると、結構人が集まっていた。(ほぼ巡礼者)今日はなんだか甘いものが食べたい気分だったので、ナポリターナとカフェ・コン・レ・チェを購入。そして外の席に座る。

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早速カフェオレをひと口飲む。『うん、今日も沁みる』と、まぁそんな感じで朝食を食べていると…韓国人のおじさん、通称:ドクター(医者らしい)が当たり前のようにわたしの席に座った。ドクターは昨日のバルでビールを飲んでいた時やワインパーティーをしていた時に何かとわたしと同年代の韓国人達を気にかけているようだった。そして、どうやらドクターはわたしのことも認識してくれているらしい。あまり英語が得意ではないからか、ドクターは携帯の翻訳機能を使いながら話しかけてきてくれた。そんな感じで雑談をしていると、次は仏教を信仰しているおじさん(国と名前は忘れた)がまたしてもわたしの席に座ってきた。なんだか朝から賑やかな朝食で楽しいな〜と思いながら大きなナポリターナを頬張った。

そして仏教徒のおじさんが記念に一枚写真を撮ってもいい?と聞いてきたので「もちろんいいよ!」と言って写真を撮ってもらった。撮った写真を見せてもらったらなんだが朝から楽しそうなわたしがそこにいた。彼はとっても良い写真が撮れたと喜んでくれ、そして「この写真は目の前にあなた(日本)がいて、背後の風景はスペインだからまるで文化交流しているみたいだね」と言っていた。

と、まぁそんな感じで楽しく朝食を食べ終えたところで仏教徒のおじさんは先に出発した。そしてわたしとドクターも歩く準備を整えていると…韓国の親子(カミーノ界隈で有名なおばあちゃんがいる親子)が到着した。そして、娘さんも「まゆこちゃん!」とまたしても再会を喜んでくれた。少し遅れておばあちゃんも席に到着し、なんだがリアル韓国人家族の食卓風景のようになった。笑

と、まぁそんな感じでホッコリさせてもらい、今日はドクターと記念撮影をさせてもらいわたしは先に歩くことにした。

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そして、歩き始めてすぐにとーーっても身長の高いルイスという男性にあった。彼は多分身長が2m近くありその大きさに思わず話しかけてみた。(話しかける動機が雑。笑)すると「兄は僕よりもっと大きいんだ」と笑いながら教えてくれた。思わず「そのお兄ちゃんの身長をわたしにちょうだい」といった。笑

そんなヒョンな会話から次の町まで一緒に歩くことになった。彼は足を少し痛めているからか足の回転数は少ないものの一歩がとても大きく、わたしの歩くペースと同じくらいだった…。(わたしの3歩が彼の1歩)

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コンクリートの道を彼と歩いているのだが、若干写っているこの影で大きさの違いを是非想像して欲しい。にしても、周りから見たら相当凸凹なコンビが歩いているように見えてたんだろうなと思うとなんだか笑えてくる。笑

そしてそんなこんなで雑談しながら歩いていると二つ目の町、Rabe de las calzadas(1.9km)に到着した。

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彼はここの町でも休憩を取るということだったのでわたしは先に歩くことにした。そしてカフェを通り過ぎようとしたところ…次は韓国人グループのひとり(名前はチャンヒャン)に遭遇。

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ちょうど、休憩を終えて、これから歩くとのことだったので一緒に歩くことになった。

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彼は昨日のワインパーティーの時に一緒におつまみを買い出しに行ったり、お父さんが昔日本に住んでいたらしく、たまに発する日本語がすごく日本人ぽい韓国の大学生だ。

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安定に麦畑を歩きながら、今の大学で勉強している内容や好きなアニメの話、日本でのオススメな旅行先や食べ物についてなど、本当に様々な話をした。(既に4回日本にきているらしい)ちなみに彼の感動した日本食は『うなぎ丼、ひつまぶし、鉄板焼き』

そんな感じで尽きることのない会話を楽しみながら広大な大地を歩いていく。

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そして、わたしがカミーノ2回目だという話を聞いて「サンティアゴにゴールした時はどうだった?やっぱり泣いた?」と質問をされた。わたしは彼に「んんー正直いって、あ、ゴールしたんだな。」くらいだったよと伝えた。そして補足として「もちろんこの1ヶ月、サンティアゴを目指して歩き続けるのだから感動はした。でも、サンティアゴは私たちのゴールだけども、歩く理由のひとつ(目的地)なだけ。それよりも今、歩いてるこの瞬間の方がとっても楽しかったんだ」と伝えた。するとすごく納得したような顔をしていた。「だから、今この瞬間の景色や出会いを全力で楽しもう!」と伝えてそこからまた色んな話をした。

そして今日の会話の中で、お互いが一番笑ったことがあった。なにかというと、彼が「さっきの町を越えたところで、サンティアゴまで500kmを切ったの知ってる?もう僕たちは300kmも歩いたんだよ!」と教えてくれた。そしてそのことに対してわたしが「え、じゃあサンティアゴはすぐそこじゃん!」と言ったらめっちゃポジティブだね、と。確かに言われてみたらかなり前向きな発言で二人して爆笑した。笑

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そんな会話の最中も果てなき直線が続いていて、お互いことあるごとに「almost there(すぐそこ!)」を言い合いながら歩いた。

そして1時間半くらい歩き続けてやっと町が見えてきた。

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最後の下り坂を小走りで駆け降りていく。(どこまでも元気。笑)そして本日滞在予定の三つ目の町、Hornillos del camino(7.6km)に到着。

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彼は今日中に2つ先の町までいくとのことで、その前に一緒にコーラ休憩をすることに。f:id:Mayuko_m:20240731010256j:image

やはり歩いた後のコーラは何度飲んでも本当にうまい。そしてどうやらここのお店でも巡礼スタンプを押してくれるらしく、もちろん押してもらった。すると…

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そのスタンプにはサンティアゴまでのkm数が記載されていて本当にもう500kmを切ったんだなと実感した。

そして少ししてから彼が次の町に向けて歩き出すということだったので記念撮影をしてから町の外れまでお見送りしに行った。

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きっと彼とはまた数日後あたりに会えるようなそんな気がした。

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その後はアルベルゲまで戻り、宿が開くまで30分ほどストレッチをしながら待機した。そして無事にチェックイン。

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ベットを確保してからシャワーを浴び、そして洗濯。少し雲行きが怪しかったので、濡れないところに洋服を干しておいた。すると、案の定少しだけ通り雨があった。

そしてお昼ご飯を買いがてら先ほどコーラを飲んだお店に行き、パスタとフルーツを買って宿に戻った。ご飯を食べてからは少しベットでウトウトした。

そして、また夕方頃にお店に行き、パスタとコーン、パンを1/2購入。(昨日はわりとお金を使ったので今日は節約!笑)

そして夜ご飯にスープパスタを使って食べた。

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見た目はあんましだけど、味は優しい味で美味しかった。

食後は近くの教会で何やら歌が聞こえてくるので行ってみた。すると、みんなでハレルヤを歌っていた。

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教会の中で、手を振りながらみんなでハレルヤを歌っていた。その優しくも力強い若い人たちの歌声が教会の中に響き渡っていてとても綺麗だった。

その綺麗な歌声を聞いた後、外に出て黄金色に輝く広大な大地を見ていたら、なんだかよくわからないけど本当に自然に泣きたくなった。多分、心がすごく落ち着いたんだと思う。

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これから先の人生で、自分の選択した道は、良いことも、時としてそうでないことも絶対に起こる。でも自分で選び、そして選択したことに誇りと自信をもって歩いていこうと思う。誰の道でもなく、自分で選んだ道を歩いていく。そしてそういう中で、この土地で感じた安心感のようなものを人に注いでいけるような人になっていきたい。素直にそう思った。

ということで、今日はこれらの気持ちを抱きしめながらしっかりと寝て、また明日からの巡礼に備えたいと思います。なんてったって、サンティアゴは『すぐそこ!』だからね。笑

それでは、ブエンカミーノ!

 

『山に関連するお話を綴る』